失業の危機か
新大阪健康道場はきわめて健全に進んでいると思う。
社会に貢献する方向に向かっているかという物差しを当てた場合である。
その仕事を、いい世の中にしていくと考えると、その道筋というのは、究極は「その仕事がいらなくなる方向へ進めばいい」ということになる。
あらゆる犯罪と交通違反がなくなれば警察はいらなくなる。
放火も失火もほとんどなく、まれにおこっても家人近隣だけできわめてボヤのうちに消火されてしまう世の中になれば消防署はいらない。
あらゆる生徒が、自分で能力開発を行い、勉強をするようになれば、学校の先生はいらない。
「俺がいないと回らない」という方向は実は失敗なのである。その職業が目的としている状態がかなっていき、そのために提供するものが少なければ少ないほど成功した度合いが高いといえる。
整体だってそうだ。その先生の整体を受けないと健康を維持できないという人を増やすということは、まことに不健康である。だから伝説の名人・野口整体の野口晴哉師は、「治療は捨てた」と言い、活元運動を整体協会の根本にされた。
新大阪健康道場の最新の「整体体操」である進化体操のもっともおすすめのやり方は「腰とろ 腹つな」という。
自分で腰やおなかに触れてながら、ゆっくりと姿勢を変え、部位が動いていくように指で追っていくというものになった。
悔しい。この方法を練習してもらうと、私が直接首肩肩甲骨背中に「とろける整体」をかけるよりも、はるかに短時間で効率よくしかも深く、こわばりが解除される。
だから、私が整体をする際にも、この「一人でもできる方法」の押さえどころを押さえ、同じ手順で進行している。その方が効果が高いから。
私の方がもちろん上手だけれど、それでも私の手をご自分の手に変えていただけば自分で自分に整体できる方法になる。腰や腹や足の付け根という「自分で簡単に手が届くところ」がメインになっている。
つまり、整体を受ければ受けるほど、受けなくても自分でできるというものを身につけていることになる。それが証拠に私自身が「腰とろ 腹つな」は、ここ10年でもっとも「せっせと自分でやってしまう度合」が高い
と、書いた直後、特急列車のがらすきの指定席で、さっそくおなかに触れながらやってしまった。4分。首が肩がやはりいっそうくにゃくにゃになった。
料理人がもっともお客さんにおすすめの料理が、あまりにもおいしく飽きない。、毎日自分で作って食べてしまうというような状況だということである。さらに言えばレシピを公開して、お客さんが自分で作って食べられるようにしている、ということである。
整体を受けに来ないですむ整体をメインにし始めている。さて半年一年後にどうなっているんだろうか。失業しているんだろうか。楽しみである。
進化体操&とろける整体
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