613話 寒稽古

meuto2007-01-08

今日は、あさちゃんの空手道場の寒稽古。紀ノ川・寒中水泳の日である。


道場に8時に集合。


予報では「最低気温2℃、最高気温7℃」という恐怖の予報であったのが、朝の時点で7℃。気温そのものは「身を切るような寒さ」というわけではないが、北海道付近に居座る「台風のような低気圧」の等圧線が日本列島をおおっているだけあって、風が強い。

旗さしものというのか、「のぼり」というのか「拳武館 宇治田道場」と大書した長竿に縦長の旗と、もう一つ道場旗の二つを空手軍団は掲げて走ってくるのであるが、おりからの強風で完全に水平にはためいている。


川原で簡単に突き・蹴りで気合いを入れた後、一気に川へ。黒帯や和歌山大空手部あたりが先行し、あさちゃんら少年部および女性は、「いやん、さむい〜」などとぐずぐず脱いでいる間に、男組は一気に入川し、円陣になって気合いを入れる。


遅れ組も参加し、気合いを入れているのが添付の写真。


ほぼ右端にいるのがあさちゃんであるが、自分が撮った写真だからわかるのであって、他人が見たら一切分からないであろうが、一応はあさちゃんの水着グラビア世界デビューである。(このブログは日本国内以外に、イングランドに読者が一名おられることが判明しているので、世界デビューと言っても過言ではない・・・かな)


さて、寒稽古というのは絵になるのでテレビ局各社が軒並み来ていたようである。カメラマンもたいへんである。寒稽古を川原から撮影したのでは迫力が出ないというのであろう、胸までのゴム長を履いて、水中撮影をしている。


さて、この寒稽古は毎年成人の日の恒例行事である。新成人にからめた方がニュースにしやすいので、テレビ局も「今年成人」というメンバーをインタビューする段取りになっている。残念ながら「水着の女子アナ」ではなく、カメラマンが撮影しながらマイクを向けるという形式である。


円陣を組んだメンバーが「ひえ〜、さび〜」「寒いって言うより、痛て〜」


とか言いながら上がってきた後に、新成人のみ川の中に残って旗を持ち、水中インタビューを受ける。各社色々と注文があるようなので、なかなか上げさせてもらえない。


女性などは、上がった後も濡れたまんまで川原でさらにインタビューを受ける。


世界中の各民族で、少年が「大人の男」と認められる「通過儀礼」と言われる儀式があり、バンジージャンプなんていうのも、その一つだったと聞いたことがある。


この空手の寒稽古も、そういう意味で見事な「通過儀礼」である。寒稽古そのものがなかなかの荒行であるのに加えて、新成人のみ優に三倍の時間は寒風・冷水の中にさらされるのである。


お見事、新成人!


しかし、夕刻にテレビのニュースをリモコン片手に数秒おきにサーチして、放映を探したのであるが、確認できたのは毎日放送のみであった。取材を受けたからと言って、必ず放映されるとも限らない。もし大事件が起こったら一切放映されない可能性だってある。一社でもよしとしよう。


ちなみに、毎日放送では「水から上がった後に御神酒が振る舞われた」ことになっていたが、「御神酒を大杯で回し飲みした後」(もちろん成人のみにね)水に突入した、というのが事実である。


事実をねじ曲げたからといって、誰が困るわけでもないこういう「風物詩ニュース」では、この程度の「歪曲」は当たり前なのだろうかと思った。


確かに、「寒い水中から上がった後に、御神酒で温まる」という方が視聴者にとっては収まりがいいかもしれない。が、事実は違う。道場に帰ってから雑炊で暖まった、というのが事実であるが、道場まで一緒に走って取材したカメラはないようであるので、「寒い後には暖まる絵でバランスを取りたい」とテレビ局は思うのかもしれない。


たしかに、こういう「寒中風物詩」は決まって「・・・の後には豚汁がふるまわ」れ、参加者は舌鼓を打つことになっている。


最近、このブログを読んでいる、あさちゃん。自分が遭遇したから分かるでしょ。テレビというのは、必ずしも真実を報道している訳ではないんだよ。だからテレビでやっていたからといって、それが真実だとは限らないことを覚えておいたらいいよ。


でも、だからと言ってテレビの全部が嘘ではないんだよ。それこそ命がけですばらしい番組をつくっている人もあるんだよ。