965話 感想が飛んだ

高野山合宿について、詳細に書いた感想が、パソコンのバッテリー切れによって、飛んでしまった。


もちろん、そこには一点の不満も書き記されてはいない。深い満足と感動を書き記しただけである。しかし、その感想が消えてしまったというのは、何を意味するのか。


これは、おそらく筆者の筆力・表現力では、かえって合宿の価値を損なうという、啓示であろう。


感想というのは、あくまでもその時に感じたものであって、合宿の本当の効果や成果というものは、その閉会直後に現れるものではない、とも言える。そういった「直後」のものは、表層意識のそれであって、本当の効果は本人も気づかないうちに、時間の経過とともに、本人にもそれとは分からないような形で出るものなのかもしれない。


意識できるひとつひとつのプログラムへの深い満足とともに、数ヶ月後、一年後にふと「あの合宿が転機だったのね」というようなものもまた、密かに楽しみにしている筆者である。