1412話 無言劇

H高校で演劇の授業。


八木さんがイギリスに行ってしまったので、今までの「横からいちゃもんをつける」ポジションではなく、最初から最後まで仕切らせていただくことになる。


あさちんの空手は、腕を後ろ手にロックすることで、体の軸や土台としての下半身の動きがまったくできていないことが浮上した。出来ていないことが自覚できると、やりたい動きの質が自覚できます。


ということで、今日はセリフを言わないで稽古。


相手の中心に入って、無言で言葉のキャッチボールなどなど。見えない言葉のボールが届いたり、はじけたり、ひろがったり、落ちたり。


はたで見ていてもそれがわかる。


さらに台本にのって「ガラスの動物園」を稽古。


プロンプターの言葉を内面の声として聞き、音声を出さずに、相手に思いのみを届ける。時に、内面で二回三回と反復圧縮してから言葉を発してみることも交ぜる。


言葉に逃げられないので、徐々に内面に生まれつつあるものが高まり、本当に体がやりたがっている動きが出始める。


言葉を出してしまうことで、気づけなくなっているものと出会うことの価値はありそうだ。