出動の日

気がつけば今日は3月27日。


昨年のこの日、和歌山から石巻に向けて出発した日だった。


あれから一年。整体チームの現地代表、今野さんはチームのNPO法人化に向けて動き出しているし、自分はNBWの吉田君やにこにこヨガ教室の西川さんとともに、オープンジャパン(ボランティアベース絆)の支援募金ならびに中長期ボランティア支援の活動を始めてる。



フェイスブックの200数十名の「ともだち」の8割は、この災害がなければ知り合ってもいない人たちだ。


3月の10日までは想像もできなかった今がある。


昨年、石巻で3月末からゴールデンウィーク明けまでの怒濤の二ヶ月の後、その二ヶ月間で見聞きしたボランティア仲間の活躍を、多くの方に知ってもらわないといけないと、ほぼ新書一冊分ぐらいの分量を5月末までに書いたものがある。


多くの方々が出版に向けて動いて下さったが、残念ながら出版には至らなかった。


でも便利な世の中で、添付ファイルでメールして多くの方に読んでもらうことはできた。


これからを考える意味でも、一度読み返してみようかと思い、せっかくだからブログに連載することにした。


以下転載しますが、今日は前書きだけです。


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「本業でボランティア」
 
本職複合連携型ボランティアで東北を助けろ!


 被災地石巻市全域の避難所で
 2ヶ月間に5400人以上の被災者に
 マッサージボランティアを行った整体チームの活動と
 さまざまな「本業ボランティア」の記録


 まだまだ続く復興支援活動に本業の力を活かそう
 ということを伝えたくて書いた一冊


                津田啓史


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はじめに


【本文】


最初にお断りすると、私が誰よりも石巻のボランティア活動に精通しているというわけではありません。最も中心になって活動しているボランティアの方々は、今日も朝7時のミーティングに始まって、現場に移動、夕方までさまざまな活動、帰って全体会議、分科会でさらに細かい打ち合わせ、ブログで今日の活動報告、深夜就寝という毎日を過ごされています。忙しくてとても一冊の本を書く時間などは取れません。


過去の災害のささやかなボランティア活動の際に面識のできた方々のご縁で、同じ宿舎に寝泊まりし、震災後2ヶ月間の間に、二回・延べ一ヶ月強の活動を行いました。


私が見たのは、現地で立ち上げた「整体・マッサージ&理容美容チーム」の一員として訪問した被災各地の様々な避難所と、そこでお会いした方々。拠点になった石巻ボランティアセンターの方々、宿舎になった専修大学近くの「南境生活支援センター」に全国各地から集まった様々な技能・職能ボランティアの強者たち。すさまじくしたたかで、強烈で、個性的で、純粋で、魅力的な人たちでした。そして、ものすごく被災地・被災者救援に、復興に貢献されていました。


そういったあまり知られていない技能・職能ボランティアの強烈な面々の活動を間近に見聞きし、知ってほしい思いを持ちました。
 

今日これを書いているのは5月11日。震災後二ヶ月経過した日です。仮設住宅がようやくぽつぽつと建ち始めただけの時期です。だからもし被災された方が読まれて、よそ者が何をのんきなことを書いてるんだと悲しい気持ちになってしまう可能性もなきにしもあらずです。それは避けたいと思うのですが…。


でも、少しずつでも復興が進んで生活再建が進んで余裕が生まれた時には 被災地の方々にも、もしかしたらどんな連中が、どんな思いで、どんな活動をしてくれていたのかということに少しぐらいは興味を持たれるかもしれない、ということでご勘弁ねがいます。


そして、復興までまだまだ長い時間がかかるということでもあります。本当に長期的な支援が必要です。
この本に書かれていることが、日本中にいる志ある方の目に触れ、何かに火をつけ、復興支援のなにがしかのプラスになるかもしれないという可能性にも賭けて、やはり書いてしまうことにします。


東北はまだいくらでも支援が必要です。そして時間がたてばたつほど、表面上は見えにくくなり、対処は難しくなります。


だからこそ本業の力が必要だと思うのです。