連載37回 2011年GWごろの朝のミーティング

東日本大震災ボランティア活動記録「本職でボランティア」


連載37 回目


南境生活センター GWごろの朝のミーティング 


南境生活センター、技能・職能ボランティア集団+有志の朝は、7時の各班合同のミーティングで始まる。柱時計が日替わりでいろんなメロディを定時に奏でる。7時のそれを聞くとミーティングは開始だ。


 進行は、滞在がそこそこ長くなったメンバーが、特にルール化することなく何となく交代しながら進めていく。


 京都のライブハウスをたたんで、この震災ボランティアに腰をすえて参加の袖岡さん、元?四万十塾カヌーガイドの「はからめ」のたくみくん、ほとんど写真をとらないでボランティア活動に没頭しているカメラマンのありとさんなんかがよく進行役になる。


「ほんなら始めましょーか。本日から活動参加の方の自己紹介からね。お名前と〜、どっから来たか〜、誰の紹介か〜。それから特技やね。最後にいつまでいるかもつけ加えとってね〜」(袖岡さんの京都風進行の場合)


 10名足らずが立ち上がり、それぞれ自己紹介を始める。


 自己紹介項目にもなかなか意味がある。誰が来ても「ウエルカム」ではあるが、その人を紹介した人が長期活動者の「技(わざ)師」だったり、なにがしかのチームの中心になって活躍している人だったりすると、多分に初参加のその人の株価が微妙に上がり、暖かい期待の視線が注がれる。きっとこの人もやってくれるんやろうなあと。


 「特技」という項目で、照れたり遠慮したりして、「いえ〜、特にないんですが、ごにょごにょ」なんて言っている人には「時間の無駄じゃ、早くしゃべれ」という空気になる(筆者だけかな?)


 ようするに、どこの現場・どのチームで働ける人かがさっさと知りたいのである。ダンプの運転とか重機の操縦とか言えば、黒沢親分・助さんチームだし、介護士・看護士なら移送チーム「レラ」だろうし、コックですというなら炊き出しのとーるさん管轄、保育士です、子どもが心配でとなれば渡辺くんの「キッズチーム」だしマッサージ師や美容師なら「整体チーム」がいただくのである。



 新規参加者の紹介の後は、各チームの今日の予定発表である。


「まずは炊き出し班から今日の活動予定どうぞ」


 炊き出し隊各チームのリーダーが、予定場所と提供食数を手短に発表していく。


「おざざです。牛角の前で500食、石巻駅で800食予定です」


 おざざさんは、かれこれ一ヶ月ずっと炊き出しをやっている。顔はリリーフランキーにそっくりである。武蔵野美大の女子大生5人組が「ほんとにそっくりなの。ネットでリリーの画像検索して確かめたから間違いないわ、本人かしら」と噂していたぐらいそっくりである。


 残念ながらリリーではない。和歌山県和歌浦の「海の家」のおやじである。いくら海水浴シーズンではないとはいえ、すごいことである。


「東山食堂です、○○方面で500食」


 四月に生活センターに初登場した時には「最強の炊き出し隊が来てくれました!」と、とーるさんに紹介された東山食堂・池田さんである。連休前に本業に戻り、また現場に戻ってきた。


 東山食堂の隊員は、みなさんとっても整体が気に入ってしまい、夜な夜な南境生活センターで順番待ちされていたので、いきおい話す機会も増え、「最強」の理由も判明した。


 池田さんは「食堂のおやじ」ではなく「プロの炊き出し屋さん」(世の中にはそんな仕事もあったんだ)だったのである。全国各地のイベント会場で、炊き出しを請け負っているイベント屋さんの一種?である。


 どうりでメンバーの物腰風貌姿形服装が、テキ屋風というかかたぎじゃないはずなのである(池田組長はきわめてかたぎに見える人だし、かたぎだが)


 話はまたさらに飛ぶが、4月に会った「東山食堂炊き出し隊」のメンバーで、私がGWに再び行った時に、メンバーのうちのお一人が先に復帰してきた。あらためて話をしてみると、彼は東山食堂店員ではなく「ハンモックショップ」のオーナーであった。ますますわけがわからない東山食堂、池田人脈である。


 だいたい朝のミーティングの「自己紹介」の段階で、本名フルネームを名乗る人はまれで、最初っから「ニックネーム」「通り名」「呼び名」で名乗る人が多い。ふだんはどこで何をしている人なのかほとんど不明な人だらけなのである。


 「八ヶ岳のあゆみです」「同じく、ちゃんです」「がくです」「サンタでーす」。


 これでは自己紹介してもらっても、かえってどこの何をしている人なのか謎が深まるばかりなのであった。ちなみにあゆみさんは、「あゆみ」ちゃん(女性名)ではなく、歩さんという無精ひげで伸びかけの坊主頭のおっちゃんであり、ちゃんさんはレゲエ風に長髪をひもに編んで多数頭からぶら下がっており、サンタさんは、サンタクロースのような長さのヒゲに、伸びかけの坊主頭で、新月の夜は輪になってお祈りをするのだけれど、ダンプの運転もできるのである。海外の報道で「ヒッピー・ヒーローズ」と見出しがついていたのである。


ねっ、訳がわかんないでしょ。でもこの八ヶ岳メンバーは実は地道に地道にすばらしい活動をしているのである。


 どこの誰かもよくわからない人々が集まって、それでも互いに強烈に信頼しあって、急造・日替わりメンバー・綱渡りでチームとして団体としてきわめて有効に機能しているのであった。




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さらに古いこわばりがばりばりとはがれます。


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