268話 陸上部の田辺ッチが来る 2

快気法は、『ここちよさ』と『無意識運動』でからだを整える方法で、ひとりでもできるし、人に手伝ってもらえばいっそう気持ちよく、めきめきからだが柔軟になり、関節の動きが良くなる不思議な体育技法だ。

陸上というのは、自分の向上が記録で客観的に出る。だから陸上競技と快気法(ニコニコマッサージはすでに一部取り入れられているのである)はとっても相性がいいと思う。からだが整ったり、バランスが良くなるということと、自己記録の向上は密接につながるのが当然だからだ。

前の日記に「私の見た4選手のうち、2名が全国大会出場」と書いたが、あれでは誤解を招く。訂正します。私が観たから全国大会へ出場できたのではなく、個別の調整というのは時間がかかるから、4人ほどしか観ることはできなかったが、田辺先生は公立の学校の限られた選手層の中から二人を全国大会まで導いたということが真実である。

Kちゃんを連れてくるのも、本気で生徒のことを考えるからだ。放課後のクラブが終った後で、選手に付き添って道場まで来られるのである。熱心である。生徒に愛情を持ち、生徒もまた信頼しているのが感じられる。

生徒の素質を伸ばしてやりたい、花開かせてやりたいと思う熱意がこちらに伝わるのである。できれば故障などさせたくない、というのも私が思う以上に先生が感じているのである。

快気法がうまく伝えられて、故障の可能性をできるだけ下げて、柔軟でバランスの取れたからだ作りが、クラブの日常活動の中で行なわれるようになれば、とっても魅力的だと考える。

この日はKちゃんの目のかすみも、田辺先生の腰や股関節の違和感も快気法でずいぶんと改善したようである。私が治したのではない。Kちゃん、田辺先生がそれぞれご自分で動いて改善してしまったのである。と書いても、快気法を知らない人には全然分からないでしょうが。