436話 ドラゴン桜か笑点か
東京道場の山上指導員に習って、グループレッスンのクラスで、周到に準備はするけれども、その日その時集まった方々から紡ぎ出されるもので、自然に中身が決まっていくようにと心がけてクラスを進めている。
4日土曜日の朝、『愉氣法と和の動き』のクラスは、あたかも「お茶席もかくありなん」という静寂とわびさびの授業となった。
5日の日曜日の「快の学校復習会・ショートプログラム徹底習得練習」は、前半はあたかも『ドラゴン桜』のごとき、びしばしとしつつ、明るいテンポのある授業となった。
ドラゴン桜の「数学は条件反射だ!よって卓球しながら計算練習」の名場面?を彷彿させるものでった。
誘導の言葉の暗記よりも、まず8パターンの流れを身体にたたき込む。次にその背景にある腰椎対応をしみこませる。
筆者はその時点ではまさに「阿部寛」演ずる弁護士・桜木健二であった。身長はいつしか10センチほど伸び、筆者の縄文人風の顔は、彫りの深い二枚目顔になっていた(ような気がする)。ポケットにはビザカードが入っていた(ような気がする)
さらに、8パターンにそれぞれ対応する効果を条件反射で口からでるようにしようという段階に進んだ。
順にリード役に立つ受講生に、その他の受講生が声をかける。
「●●さ〜ん、この快気法は何にいいんですか〜?」
それに答えて誘導役が効果を反射的に口にする。
そのあたりで、どうも「ドラゴン桜」ではなくなってしまった。何かの雰囲気に似ていると考えて思い当たったのが「笑点」だった。東大受験の緊迫感が「ざぶとん獲得」の大喜利の雰囲気になってしまった。
筆者にはさきほどまで確かに「阿部寛」が憑依していたと感じていたのが、いつの間にか「林家喜久蔵師匠」に憑依されていた。
やむを得ない。筆者が意図したものではない。
その日その時集まった方々から紡ぎ出されるものによって、自然に中身が決まっていくようにと心がけてクラスを進めた結果である。
二度とはできない授業になったのは確かである。微妙に満足である。