493話 親の心 子知らず

7月7日の487話で、「佐賀のがばいばあちゃん」の名言を紹介した。


そして、感動を共有しようと、3人の子どもたちにも読み聞かせ、また本人が読んだ。


がばいばあちゃんには、「人生は総合力」以外にも、こんな名コメントもある。


テストの点数がふるわない洋七さんが、おばあちゃんに慰められる場面である。


「ばあちゃん、英語なんてさっぱりわからん」


「じゃあ答案用紙に『私は日本人です』って書いとけ」


「でも俺、漢字も苦手で・・・」


「『僕はひらがなとカタカナで生きていきます』って書いとけ」


「歴史も嫌いでなあ」


「答案用紙に『過去にはこだわりません』って書いとけ!」



次女の真衣は、小学校3年である。このたびのテストで、漢字だけがおっそろしくふるわなかったらしい。彼女に学校の様子を聞いていたところ、前後の状況、先生などの反応など詳細はよく分からないのであるが、ふるわない漢字のテストを前に担任の先生に


『私は、ひらがなとカタカナで生きていきます』


とホントに言ったらしい。


親の思った方向に単純に向かわないのが、生きた人間なのである。