494話 ははは、はははははと笑う

実家に泊まった時に、母とテレビを見ていたら「あべしずえ」「岸田智史」「城みちる」という懐メロのお三人がゲストで出ていた。

あべ、岸田と話題が振られて、残るは城みちるのみ「名前をまだ呼ばれていない、話が振られていない」状況で母の独り言。


「この子(って五〇歳過ぎてるんだけど)城、、、、城みちる。なんとかに乗った少年の歌を歌ってたわよね」

さらに母は続けた。

「い・・・、い・・・、い、いらか(甍=瓦のこと)に乗った少年!」(ほんとにこう言った)


(筆者注 それじゃ屋根の上のバイオリン弾きじゃないの)


「い・・・、い・・・、い、イクラに乗った少年!」(ほんとにホントにこう言った)


(筆者注 寿司じゃないって)


するとすかざすとテレビから司会の桂南光


「いるかに乗った少年の城みちるさんです」


と正解を告げた。


さて、この母の状況を、「連想力豊かな若々しい脳みそ」とみるか「記憶力の減退した老人の脳」とみるか見解が分かれるところであるが、息子としては前者であると思いたい。