536話 ねずみさん
長野の岸田さんからはがきが来た。岸田さんというのは、25年前に北海道を徒歩で旅していたときに泊めてもらった、北海道の羽幌の駅前のお土産屋さん。手作りで木彫りの人形などを作って販売されていた。当時「ねずみさん」と呼ばれていた。
長髪にひげ、その容貌はキリストのごとく。でもしゃべりは京都弁でまったりと。魅力的で不思議な人であった。
ねずみさん宅には、なぜが全国の旅人が多数長期滞在していた。
その後北海道を出られて長野に移り住まれ、一度だけお正月に大阪で「居候していた旅人たちの同窓会」が行われて、長野から来ていただいてお会いしたことがあるだけで、後は年賀状のみのお付き合い。
もともと木彫りのお土産を作って販売していた方なので、毎年いただく年賀状もお手の物の木版画。
こたび11月に長野の地元松本市で
「岸田一男 木版画展」をされるとのこと。
2006年11月15日(水)〜19日(日)
【会場】 松本市中央2丁目9−15
中町 蔵シック館 二階展示室
お近くの方はぜひ。