535話 鬼っ子
鬼っ子クラブは、すこぶるいいところであった。
生駒山ろくの東斜面で、眼下には生駒市、その向こうには遠く奈良の灯りが続く絶好の夜景である。
薪ストーブの低温サウナに、半露天風呂。薪ストーブに石造りの囲炉裏。
夜に到着して寝るまでの間でも、興奮さめやらぬ筆者であった。
主催者のお一人、大原先生に、体のバランスと歯の関係についていろいろと含蓄に富み、示唆にあふれるお話を伺い、納得することしきりであった。骨格やら筋肉に関しては、いささか一般の方よりも詳しいが、歯となると視野から欠けるのである。
悪くなる、痛くなるまで放置しては最低限の治療のみをやってきた筆者の歯の歴史であるけれども、ちゃーんと普段からケアをして、大原先生のような方に定期的にチェック受けるようなサイクルを確立しておくと、さらにいい身体がキープできていたようだなと感じたのである。
大原先生いわく、この先生なら確かだ、という先生に出会うまで、何軒でも歯医者をはしごするべきである、と言われる。それも痛くなる前にである。何もない時に検診やら掃除などを受けて、どういう治療方針か、雰囲気か、愛称かなどを確かめて回り、「この先生なら」と思ったら後はひたすらそこに通うのがよろしい、とのこと。
美容室に通うがごとく、歯医者に通うのがいいんだ。
翌朝、参加のみなさんとニコニコタッチセラピーなど応用の簡単な体ほぐし教室を行う。
ここは使いでがありそうなところである。可能性がむんむんである。来年はぜひともあまり気張らないで気軽にこれる合宿やらセミナーの会場としてぜひお借りしたいと思う筆者なのであった。