611話 ぐっすり
最近は、すずなは、小さなマットの上限定で、室内に入ることを許されるようになった。
ガスストーブの近くで、ごろり。実に気持ちよさそうである。
眠っている時は、まったく「ぐっすり」という感じである。起きている時の柴犬独特の「毅然」とした立ち姿勢に比して、なんと休む時の深くゆるんでいることだろう。
実に深い呼吸をしている。そこで、すずなの休息時呼吸数を測定することにする。なんとなく筆者自身よりもすずなの方が呼吸が長いような気がする。
あらら。
一分間に11回半〜せいぜい13回という長さである。
この11回から13回というのは筆者よりも十分に深そうである。これは人間様よりも十分長いんじゃないのという数値である。自分の呼吸というのは客観的に観察できないので、隣の部屋で寝ている娘ふたりの寝息と比較することにする。
小六のあさちゃんは16回。
まあこんなもんでしょう。
あさちゃんよりもさらに一回り小さい、小三のまいちんは18回。
サイズ的には小学生よりもはるかに小さいすずなの方が、寝ている時の呼吸が人間よりも長い。そして深い。
実にすばらしい「眠りっぷり」である。動くときは動く、寝るときは寝る。それも深〜い呼吸でしっかりとゆるんで眠る。
実にいいメリハリのついた昼夜、覚醒睡眠の振幅だろうか。
人間もかくありたいと思う。