615話 えべっさん
今日のテレビのニュース、関西ではやたら「西宮えびすの福男」が流れていた。
筆者の和歌山の家の直線距離にして30メートルから40メートルのところに、えびす神社がある。「紀州戎神社の総本社」とあるから、由緒正しい神社であろう(って氏素性の怪しい神社というのは基本的にないような気がするが)
筆者宅はえべっさんの東側で、いわゆる参道に当たるのは南の筋になる。
いつもはたいして車も通らないのに、なぜか道幅が広い道であるのが、えべっさん当日になると、両脇にぎっしりと露天が出て、人がすれ違うのも押し合いへし合いというにぎわいになる。
昨年はそのにぎわいを行ったり来たり、子どもたちと堪能した。祭りは楽しい!
けど・・・今年はお仕事、9日の夜は大阪泊まり。
本宮の今日、夜の10時半に帰宅してリビングの窓から見える参道は、屋台を撤収する作業の風景。
うううう。
台所に置いてあった、食い残しの屋台の焼きトウモロコシを食べる。
「うううう、うまい!」
冷えていて、かつ、この甘さ、うまさ!
これを、屋台のけむりもくもく、かおりぷんぷん、
「へい、らっしゃい」「買うてってや、にいちゃん」
なんて、シチュエーションで焼きたてを食ったら、しみじみと日本人に生まれた幸せ、えべっさんの近所に住んでいる喜びを噛みしめたであろう。
阿倍総理の「美しい国、日本」の中には、こういう日本も入っているのであろうか。
ちなみに、リビングのテーブルの上には「リンゴあめ」が二つ、手つかずで置いてある。
食いかけの二本のトウモロコシの方は、約3センチずつ削り取るように囓りとっても、見た目はあまり変わらないので、筆者が食ったという犯行が発覚する可能性は低く、また食いきれないで残したものであるのだから、続きを筆者が食ったからといって、明朝にそのことが原因で親子関係が破綻をきたすということはほぼ考えられない。
しかし、このリンゴあめの方はそういう訳にはいかないであろう。なんせ、真っ赤なつやつや状態で、しかもきれいラッピングされている。
ここに歯形をつけたが最後、明朝、修羅場を見ることは必至である。見るだけで我慢する。