636話 骨折

一月の6日の今年の授業始めの日に、和太鼓奏者話題のOさんが久方ぶりに武術稽古とヨガのクラスに連続で参加された。

そして「このほぐれる、ゆるむ感じを忘れておりました。今年は心を入れ替え、努力精進、せっせと修業にいそしみまする」


と宣言し、一ヶ月チケットを購入して帰られた。


なんでも、お正月公演の、あと来週初めまでお休みで、その後タイ公演。帰国後にまた来ますとのこと。


しかし、それ以来ぱったりと姿が見えない。タイが政情不安で、空港が閉鎖されたとか、タイで和太鼓バンドが拉致されたという話も聞かない。


チケットの有効期限が切れても、筆者の懐はなんら痛まないのであるが、根が小心者の筆者は、Oさんに「どないしてまんねん」とご機嫌伺いのメールを出したところ


「稽古に出てすぐ後に、鎖骨を骨折し、折れていると思わず、そのままタイ公演に行きましたが、折れてました。それで太鼓はもちろん、バイトも何もできないので、毒出しに名古屋の施設で断食をしております」


とのお返事。


疾病、けが、骨折のおり、ヨガでは「断食をすれば治りが早い。動物はみな、けがや病気の際に自然に断食かそれに近い食事をして治す」


と言われている。


けがの際に、大食していると、膿みやすく治りが遅いとも聞く。


知ってか知らずがOさん、最良の選択をしたようである。知らず断食養生を選んだとしてら、その勘たるやまことにお見事である。


しかし、折れた鎖骨でタイ公演を乗り切るとは!


ところで、この文章の冒頭にOさんの紹介として「わだいこそうしゃ」と打ち込んだところ、我がデルのパソコンは【話題故障車】と変換した。確かに、故障者に関する話題でした。