685話 ベスト16

東京武道館へ。


全日本少年少女空手道選手権大会。


6学年の男女別なので、体育館が12コートに分かれている会場を、数千人の家族応援団があふれんばかりに(っていうか実際に通路にも廊下にもあふれていたけど)埋め尽くしている。

午前中があさちゃんの出場する「形」の部。


あさちゃんは、3回勝って、4回目で負けてベスト16という結果でした。(優秀!優秀!健闘!健闘!)


各コートに審判は5人。選手は二人ずつコート内に入り、同時に形を打つ。採点基準は知らないけれど、「正確さ」「スピード」「技の切れ、冴え」「安定感」「形の意味の理解」「気迫」と言ったような要素で優劣を競うものと思われる。


で、形の演武が終わると、「判定!」と声がかかって、それぞれ青か赤の旗でどちらかの選手の勝ちを示す。旗の多い方が勝ち。これを繰り返して勝ち上がっていく。


ところが、この判定がけっこう割れるのである。5−0というのは、実力に圧倒的に差がある同士の組み合わせが出やすい一回戦二回戦以後には、なかなか出てこない。

3−2に割れる、というケースがけっこうある。


長年空手をやってこられて、また審判の研修などもされておられるだろう先生方が判定しても、それだけ評価が割れる、ということである。


やはり先生お一人お一人で「スピード重視」「正確さにこだわる」「気迫の感じられる方を優位に評価する」などの評価基準のずれというものがあるのであろう。


これが判定のたびにほとんどが5−0になり、まれに4−1というようなものであれば、その評価基準というのは、かなり安定しているということなるが、これだけ割れるということは、けっこう不安定なものなのだなあと思う。


一回戦は5ー0だったけれど、2回戦以後は判定が割れていたあさちゃんであった。敗れた試合もまた3−2で割れていた。審判のお一人が逆を判定すればひっくり返るのである。


ということは、ベスト16のあさちゃんであったが、可能性としてはもっと早く敗れていた可能性もあるし、ベスト8進出ということもあり得た、とも考えられる。


納得いかない負けの選手も多いんだろうなあ。


だからと言って、優勝を争うところまでは6〜7回勝たないといけないので、やはりうまくない方はふるい落とされるのは確かであろう。だから優勝、準優勝の選手はやはりそれだけの選手がいくんだろうなあとは思う。ただし、優勝を争える選手が、たまたま早く負けることはあるだろうなあとも思う。