744話 マグネシウム 太陽光蓄電
現在発売中の「週刊ポスト」。連載の「メタルカラーの時代」に「マグネシウム蓄電」が取り上げられていた。
なんか、おもしろそう。
対談ホスト役の山根一眞氏をもってして
「17年に渡る『メタルカラーの時代』の連載でも、これほど画期的なアイデアは記憶にない」と言わしめている。「17年の連載」の、ちなみのこの回は772回目である。
マグネシウムというのは、ジャンルとしては軽金属であるが、どこにもかしこにもある、とってもありふれた元素で、地上では酸化マグネシウムとして安定した状態で存在する。
海水にもイオンとしてた〜くさんある。約1800兆トンある、というから想像できないぐらいたっくさんあることだけは分かる。
いわゆる「にがり」の主成分の一つだ。
マグネシウムの粉末に着火して(酸化させるわけね)瞬間的に光らせたのが昔のフラッシュである。つまり、「酸化する際にとっても大きなエネルギーを出すわよ」という訳である。
ということは、酸化マグネシウムを還元してマグネシウムに戻す際にはたくさんのエネルギーを必要とするわけだ。たくさんのエネルギーを使って還元するということは、そのエネルギーが必要だから、そこに化石燃料だとか原子力による電気を使ったのでは、何の意味もない。
そこで、開発者の矢部孝というおじさんは(筆者もおじさんだけど)、太陽光を集めてレーザ化して、それによって酸化マグネシウムをマグネシウムに還元するという方式を考えた。これはいわゆる鉱石から金属を取り出すようなものなので、文中では「精錬」ということばで表現してました。
できあがったマグネシウムを水と一緒に高温で反応させると、持続的に熱を出し続けるのでそれをつかった「マグネシウムエンジン」ができるけれども、排気ガスのかわりに水素と、もともと自然界に無尽蔵にある酸化マグネシウムに戻るだけなのである。
出てきた水素は燃やしてエンジンを回すこともできれば、燃料電池で発電させることもできる。
化石燃料と違って二酸化炭素は一切でない。いわゆる廃棄物でも死の灰でもない。
この当たりは、お仕事の後で出てくる廃棄物がどうしようもない原子力発電とはまったく違う。
ということで、今実験段階のこのしくみがうまくいけば、太陽光だけで全てのエネルギーをまかなえる循環システムが出来上がるということなんである。
というところまでが今号。次号にさらにつづきがあるみたいです。
すごい、すごい、すごい。
急いでほしいと切に希望するものである。早く実用化して、どんどん稼動させて頂きたい。
日本発で、世界のエネルギー事情を激変させてほしいと思うのである。
日の本の国から、世界中に太陽エネルギーを超効率で使えて、廃棄物を出さないでいけるシステムが広がっていけば、最高です。