953話 大きな便り

最近は消化器末端より水中へと向かう「大きな便り」が、日に一二度は届くようになった。


もともと便通は一日一回という幼少より大学生ぐらいまでのパターンであったが、22歳の時、三島の沖正弘先生の道場に二週間ほどヨガの合宿研修に行ってから、劇的に変化し、日に二度三度という「散歩に行ったら必ずうんちの愛犬すずな」のような便通になった。


日に二度も三度も食べるのであるから、出し惜しみしなければそういう便通になるというのが沖先生の論であったが、体が整ってみると、確かにそうなった。


そうやってすずなのように一日に数度排出していたわけであるが、ここ何ヶ月かもっとか、便秘する日が多かった。気がついたら二日ほど出していない。


「俺の体も衰えたものよのう」と心ひそかに嘆く筆者であった。


ふと気づくと最近よくお出ましになる。なにゆえにと考えると、この夏以来とっても忙しかった。自宅へ帰れぬ日も多かった。食事もしないで朝から晩までという日もあった。


だから、ほっとする時間が無かった。そういえば最近ほっとする時間がある。と言っても、お仕事でお相手する人数はわずかずつであるが夏よりも増え続けている。演劇のプロジェクトを入れたり、空きがあると出張を割り込ませていたりして、飛び回っていた。そういうのが減って、さらに整体にかかる時間が短くなり、朝から晩までお仕事の日でも、食事にいく時間があったりするようになった。


筆者にとって、うんこがちゃんと出るぐらいの忙しさがちょうど良いのかもしれない。たぶん。