1047話 体話 2


『右往左往』




人の左右は見た目ほど同じではない。


右は伸びるが、左は縮む。


右は前に出るが、左は引き寄せる。



動物の雄雌は、好きな人にはすぐわかるだろうが


興味のない人には同じに見えるように


必用としない人には、たいした違いだとは思えないだろうが。



右と左をまとめて表現するとき


「左右(さゆう)」と言う。


「右左(ゆうさ)」ではない。


昔の人が残したものは、じっくり味わうべきだ



上に伸びるのも、前にでるのも


左の支えがあって初めて可能だ。


まず左ありきだ。



植物に例えれば


左が根っこで、右が茎だ。


根を張った分だけ伸びることができる。


地上の高さだけを真似すると


ただしんどいだけである。



「理屈」を司る頭に焦点が行くのは


左骨盤でふんばって、右に重心を移し


右骨盤でまず前に出て行動した後だ。



いや僕は、知的な人間だから


納得してから、理屈が分かってから


行動する


しかるのち、腹に収めるというつもりの人は


身体の運動の逆である


残念ながら前には行けない。


からだは、そう言っている。





『花』



人と植物とが違うのは


植物はあたまについている花(生殖器)が


股ぐらについていていることだ。




セックス以外にも


いろいろやっていいよ、と


作られていると解釈している。