1063話 常識破り
大人の寺子屋で『速読教室』をやった
一分間の読書速度測定をし、10分ほどのトレーニングの後
再度測定。もう10分ほど足してさらに測定。
※Pはページ Lは行
ざっとした
最初 二回目 2回目 伸び率
S藤さん 5P 10P 10P8L 2倍
O渕さん 2P13L 4P 6P 2.5倍
S崎さん 3PL2 6P 7P 2倍
S本さん 2P10L 10P18L 12P 5倍
N川さん 4P9L 8P18L 8P18L 2倍
ちか 1P7L 6P 6P 5倍
ざっと倍から6倍。平均したら3倍強というところか。
うまくいかなかった人は誰もいない。
講習に費やした時間というのは30分もなかったかもしれない。このまま訓練を一日10分も続けていけば、この記録をさらに倍、三倍、それ以上に伸ばしてくる人も遠からず現れるだろう。
身につける人は、帰り道でトレーニング様の児童書を即購入した人であるのは、たぶん間違いない。
世間の常識になっている逆からアプローチするとこういうことがある。
ステップバイステップというのは確かに本当だが、しかし、何事もステップバイステップかというと、常識に縛られて出せる力も出せず、持っている力を使えていないことも多い。
朝昼の講習でも、「三点セット」をささっとふれたり意識すれば、スポーツテストも柔軟性も腕相撲も変わった。
その劇的の差は何かというと、不自然な身体の状態や不自然な身体の使い方を、自然な方・統一した方に戻しただけである。それだけ不自然なものに慣らされているのだ。
だから、こういった変化を出すこと自体は、そうたいしたことではないと思えてきた(たいしたことなんだけど)。
読書速度が6倍になったからといって、速読そのものが趣味になったって、何の意味もない。
その後何の本を読むのか、何十回読むことにするのか。それで得た知識で何をするのか。誰に対してそれをするのに役立てるのか、というのが問題なのだ。それで結果がちゃんと出せるかどうか、どこまでの質の結果が出せるかどうかというのが問題なのだ。
自然体を取りもどし、統一体になるのはスタートについたに過ぎない。まともになったに過ぎない。
S本さんも本気になったし、ちかちゃんも本気になった。可能性に目覚めた。
ちかちゃんは、御堂筋線を一緒に帰ったなんばまで、ずっと興奮気味に決意と期待と言葉にならない思いを吐き出し続けていた。
若い人が、可能性に目覚めて、でも混乱して、言葉にならない思いを懸命に語ろうとするのを見るのは楽しい。殻が破れたのだ。少なくとも破れかかっているのだ。
もうちょっと歳を取ると、同じ刺激を受けても、守ろうとしてしまって殻が破れず、理屈を付けては結果としてやらないままにすませようとする力が働きやすい。こういうのを老化という。
そういう場合は「デストロイヤーS川」氏の手を借りよう(^-^)