1113話 本日ノ日記

終日和歌山也。朝、愛犬すずなの散歩す。


実家にて40年以上死蔵されし、定寸より短き下駄を履くもの也。かかとの一部後にはみ出すさいずなり。勿論、足にはてえぷ及び綿球は貼りたるものなり。


斯(か)くなる下駄歩行、上体の力抜けたること甚だし(はなはだし)。我、すこぶる驚く。犬の引き綱を持つ手、離れそうになるほど、力抜けたり。ゆるゆるのとろとろなり。


これ、引き続き研究の価値あり。


打撃場(ばってぃんぐせんたあ)に赴く。足裏の感覚最大尊重のため、靴を脱ぎ、靴下裸足で練習する也。地に足着けたる感覚甚だしく、且つ成績頗る(すこぶる)良ろしき也。


塩屋の丸三らあめんにて昼食を食す。今日も満員なり。他店の「ちゃあしゅうめん」にあたる「特製」を注文せり。


ぱっと見、普通の中華と変わらず。味は頗る(すこぶる)美味なれども、焼き豚三切れほどしか見えず。不満なり。而るに(しかるに)麺、着々と減りし中に焼き豚多数もぐれり。機嫌回復す。次回より麺の中を探す楽しみ生まれり。


美味につき、卓上の海苔巻き一本、なれ鮨一つ追加せり。それぞれ百円也。


欠陥があるとかで、和歌浦の日産へ車を持ち込む。りこおる也。しょおるうむにて待つ。受付の女人、めにゅうを持ち、飲み物の注文を取る。あいすこおひいを頼み喫す。作業一時間ほどで終われり。


ぶっくおふの隣の「はあどおふ」に赴き、中古のぱそこんを購入す。昨年のもの、きわめて安価にて入手す。嫁、値段を聞き、きわめて機嫌良し。


夕方、再度下駄にて散歩す。やはり「ゆるゆるのとろとろ」なり。されど、あすふぁるとと公園などの土の上では、下駄の感触甚だしく違えり。下駄はやはり土の上のもの也。「ゆるゆるのとろとろ」の効果多大なりて、下駄にて通勤すること検討せり。自宅より道場まで土の道皆無なり。断念す。


南方熊楠翁」の伝記を読みつつあるものなり。文中の書簡、手紙など文語体のもの多数引用されているものなり。拙者の脳単純にて、脳みそ怪しげな文語体になれり。