1158話 いきなり10倍速


 今日は、自然体チューニングとセカンドセルフ講習会。


それに「速読」


昨夜の整体教室に参加して「セカンドセルフの何か」をつかんだろうな雄二郎さんが、急遽「仕事が速く片づいたので参加します」とやってこられた。


プラントのような機械を作っては据え付けたり修理したりという「大阪の中小企業」の二代目である。


今日はお休みではあるけれども、修理を依頼されて出かけており、一日仕事だとおもっていたが、現場でどこから手をつけるかを検討する際に、


「セカンドセルフに、『どうすんねん』と聞いたら、勝手に身体と手が『ここや!』というところに行きまして、また詰まった時にどこやって聞いたら、また勝手に手が行きまして、一日仕事やと思っていたのが、お昼で仕上げってしまいましてん


とのこと。


そして速読。


最初、一分間に30行ほどであった雄二郎さんであったが、90分後にはなんと300行を読むところまで読書速度が伸びた。伸び率としては過去最高であろう。


人間の価値とは何の関係もないが、本に慣れているかどうか、という一つの尺度でご本人の談を紹介させてもらうと


「中学校ではちょっとやんちゃ」

「高校は一ヶ月、白紙に近い答案でも合格するような高校へ無理矢理行かされ」


「一ヶ月で辞めた」

「学校へ行かなくっていいからと朝寝していたら、いきなり襟首をつかまれて寝間着のままパジャマで工場まで親父に引きずっていかれ」


「そのまま奴隷のように働くことになった」


ということなので、その後働きながら通信制の高校などもちゃんと卒業をしているのだけれど、そうそう本を読む時間もないほど忙しい。


というような雄ちゃんが、「お仕事は構成や編集です」というような「活字が食材」というお仕事の方々を後目に、堂々の300行である。


なぜであろうかと考えた。(続く)