1161話 変わる


神戸『鳥久』の女将は、あの秘伝のスープをとるためにせっせと骨を砕く時に、セカンドセルフを呼び出すことで楽にこなせたという。


アパレル良重さんは、自宅でホイップクリームをあわだてている時に、セカンドセルフをイメージしたら


「手が勝手に動いて」


はかどること甚だしく、いつもと同じ時間やったら、泡立ちすぎてクリームチーズのようになってしまったという。


お二人とも、こうやって自然に生活の中で取り入れられているのがうれしい。


さらに、おすすめの「ミサトっこぞうり」や「足の裏補正」なども、「こうやると気持ちがいい」「これは合う」「これは合わない」などと体験で試行錯誤して、快適なものにたどり着いている。


なんでもないことだけれど、こうやって自分に合うものをちゃんと探す、ということをいつのまにか手放している人が多いように思う。


ふとんは厚いのがいいのか、薄いのいいのか、まくらはどうか。


筆者は、今、しきぶとんんは使わない。その方が短時間ですっきり目覚めて寝心地がいいからそうしているのであるが、それは身体が「ぷにょぽにゅ(自己対比)」になってからそうなったので、二年前なら起きれば体の節々が痛いということになっていただろう。


変わっていくのが当たり前になると、「今の自分に合うもの」というものが解る。今の自分に合うものであって「絶対的にいいもの」などではない。


「これがいい」というものを人に決めてもらうことに慣れてしまうということは、変わっていける可能性を手放していることになっているように思う。