1162話 天心


野口先生の説かれる整体の重要なキーワードに「ぽかんとする」という表現や「天心」という言葉がある。


二つ考えた。


昨今体感している「自意識を低下させた状態で現れるもの」が、「天心的なものに出会いつつある」のだとしたら、かつて想像していた「ぽかんとする=天心になる」というものは、まったく見当違いで、とても低い価値しか設定していなかった、ということ。


そして「自意識が低下している状態」=野口先生の説かれている『天心』だとは、今の時点では断定できない、ということ。


きっとまだまだ気づいていない、見落としていることがたくさんあるのだろうと予想される。



歩いている最中に、突然腕を引っ張られたり、腰にタックルされたりするというテスト。


ぽけ〜っと歩いている時はもちろん、あたりを警戒しているような場合でも、がつんとひっかかり、居着いて、硬直してしまう。


セカンドセルフに囲まれている状態であれば、動きがとまらない。たとえば引っ張っている人の方に自然に体がくるりと回って「何かご用ですか?」という状態になったりする。


もちろん、街中でいきなり誰かに飛びかかられて同じように対応できる、とは言わない。


しかし、あまりにもその反射が違う。


こんど、クッションをグローブがわりに、いきなり殴りかかってもらったりというテストをしてみたいと思う。