1194話 練習する
練習するというのは、ベストを思い描いて「いつかできる」とくり返すことではないように感じる。
何がしたいのか身体に伝えて、自分が今「実際に」何をやっているかを感知すると、その時点の身体の運用能力のベターないしベストが現れる。
次の一手が現れる。
そのレベルでくり返すと、潜在的な身体の運用能力が上がってくる。
次の一手が現れる。
私が私の体だったら、今の身体の運用能力を無視した、ハイレベルもしくは見当違いの理想に、無理矢理鋳型にはめるような練習にはつきあいたくない。
今できる一番いい仕事を見せてよ、と言われたら張り切っちゃう。間違いない。
思わず「今以上のもの」なんか、出しちゃうかもしれない。
でもそのレベルの仕事をしている内に、経験も積むし、データも集まるし、改善点も見つかるし、対策も立つ。
その時点で一番嬉しいのは
「じゃ、次見せてよ」
という意識のスタンスであろう。よろこんでベストを出すだろう。
その時点で、その集まったデータや培ったノウハウとはまったく関係ない指令が来たとしたら、がっかりするだろうなあ。
それでも取りあえずは対応できるものをそろえてやろうとはするだろうけど。