1225話 ○○が、まだできていない
「自意識を低下させて、自分の裡(うち)なる力を信頼してまかせ、実際にやったことと結果をきちんと捉える」という方式が今とてもいい手ごたえだ。
今までよりもいい結果が出て、あるいはレベルが上がって下がらない、というようなことが多数の方に現れている。
その段階でむくむくと自意識が頭をもたげてくるというのも共通している。
ゆうきくんは、自己採点15点の日々が80点をキープしているのに「伸び悩んでいる」と自己認識しているそうだ。
八木さんは、他の内容でやったとしてもとうてい至っていないだろう演劇ワークショップの参加者のハイレベルなできばえや意識改革ができたからこそ出てくる発言に対して、「あと三回しかない」と悲観的であったりする。
共通するのは、「まだできていないこと」に意識が集中してしまう、という点だ。
もちろん、まだできていないことが見えてくるというのは、できるようになったことが増えてきたからこそ分かるのだろうと思う。
筆者が今の時点でお勧めするのは「できていないこと」だけを意識するよりも「ここまではできている。心身が進もうとしている次の段階を感じ取って、全うすることに協力しようとする」ことである。
自分とのつきあい方としては珍しいかもしれないが、他人とのつきあい方であれば、少しも珍しくないように思う。
他人への接し方でベストであるならば、そんないいこと自分に使わないのはもったいない。