1300話 温暖化

PHP新書 養老孟司・竹松公太郎


「本質を見抜く力」

   ・・・環境・食料・エネルギー


を読む。


いろいろと面白かったが特に腑に落ちたところ。


地球温暖化防止一色の「環境にまつわる話」にはうさんくささを感じている。


寒冷化するよりいいに決まっているのに、そういうことは誰も言わない。


排出権取引市場などが設けられるにいたって、ますます疑念は深まるばかり。


だって、市場ができたら、それにかかわる方々は市場の活性化、つまり「排出権の値段がうなぎのぼり」を望むに決まっている。株価が下落したら国をあげて大騒ぎしている昨今を見ればわかる。


すると、二酸化炭素排出を革命的に飛躍的に削減する技術が日本で生まれ、日本の二酸化炭素排出量が三分の一などになって、あまった排出権が市場に出されたらどうなるか。


排出権の価値が暴落するのである。


ということは、排出権を売買する方々は、こぞって二酸化炭素削減を望まなくなる。


ということは、この方式は二酸化炭素削減のためではなく、そういうお題目の元で金儲けをもくろむ方々の仕掛けと考えてはよろしくないか。


そして、排出権で儲けようともくろむ方々は、実は温暖化の現況は二酸化炭素ではない(かどうかは知らないけど)、ということをご存知で、削減しようがしまいが気候変動は進むべくして進むとか変わるとか(二酸化炭素と関係なく)いうことを知っているとか。


で、「本質を見抜く力」の62ページ。


炭酸ガスの削減というのは、要するに石油使用の削減ということです。削減して石油価格が高騰し、みんなで少しずつ小出しに使うようになれば、石油会社の寿命と収益はどんどん伸びる。頭がいいなと思いますね。


一昨年、収益世界一になった企業はエクソンモービルでした。しかも、ひとつの企業としては史上最高の利益です。それを考えるとブッシュ政権は大成功です。イラクに軍隊を常駐できるようになって、エクソン・モービルに最大の儲けが上がって、バイオエタノールのおかげで中西部の農家が潤った。何も言うことがないではないですか。


あまった金でサブプライムローン問題が起こっているだけのことで」