1383話 景気が悪い?

不況だと言います。


景気が悪いと言います。


昨日分で「やる気が出ない」という言葉は、現実を指していないんじゃないかい、という話を書きましたが、その時に頭に思い浮かんだ話です。


景気が悪いと言うとき、どうも「収入や売り上げなどの金銭の額」を物差しに論評しているように思えます。


売り上げが減ったから景気が悪い。残業代がなくなったから景気が良くないのを感じる、などなど。


だから、麻生総理は「景気刺激策」として、お金を配ります、という策を立てたのでしょう。



景気というのは、時間を物差しに見た方がいいんじゃないかと思います。


受注が半分に減った、というのは「一ヶ月の売り上げ」で比較するとそうなりますが、そこに時間の物差しを入れると、同じ量の注文を二ヶ月かけて受注することになる、という景色が見えてきます。


車が売れない、というのは1年で売れていた車が一年3ヶ月かかる、ということでもあります。


ですから、景気対策というのは、お金ではなく「速度」の問題としてとらえられます。


でも、ここで「過去の景気がいい状態」を捉え直すと、それは「10年乗れる車を5年で買い換えて、古い車をゴミにする」とか「2年分の衣料を1年で買い換える」ということで、資源を浪費して、ゴミを増やす方向であった傾向が強かった。


だったら、「景気刺激」は、「好ましい未来を先取りする方向」に大急ぎでハンドルを切る、という「速度を上げる」方向が、望ましい景気刺激ということになりそうです。


車を売るのではなく、ハイブリッドカーや、電気自動車や、水素自動車やらに切り替える速度を上げていく。


下草も生えず、密生している戦後の植林のひょろひょろの杉や桧の森は、花粉を出すばっかりで、水資源の保全林にはならないそうです。で、値が浅く広がっているので、大雨が根の地層の下をくぐったら、山ごと滑って川を埋めたり、川を流れ落ちて下流の街の大水害の引き金になるそうです。


いつかやらなきゃいけない、そういった森の再生を前倒しで今やってしまう。


そういう流れに沿った形で、人の動きや金銭の流れの速度を活発にしていく。


人は余りだしているようですから、どんどんそっち方面(って二つしか思いついていませんが、ま、いわゆるそういう方向ということで)に仕事のない人についてもらっていく。なんてのがいいのでは、というのが、今日の時点で頭に浮かぶ景色です。


時間について書くのかなと思ってましたが、環境や資源の話になりました。


時間についても、もう少し掘り下げると、もっと新しい「景気」「経済」が見えるような氣もするのですが…。