1388話
私の頭が納得することと、実際に状況が好転することを実行できるということは違うのです。
頭が決心することと、身体が実行することも違うのです。
某スポーツのコーチが、「ぐぐぐぐぐっと深〜く、深〜く捻って、逆側の膝のここに『違和感』が出るまで行きなさい、行きなさい、断じて行きなさい」
という「正しいフォーム」を教えられるそうです。
理論的には、そこに無理がかかるぐらいに捻らないと、意図した筋肉は使えないから、ということらしい。
それで、そのコーチングを受けた少年が、また別のコーチのところに「言われた通りにやったら、身体が痛い、つらい、きつい、壊れかけてます」と泣きついたそうです。
と、泣きつかれたコーチにこっそり教えてもらいました。
そりゃそうでしょ。だって「違和感」だもん。
「調和とは違う感覚」を「違和感」というのですから、一生懸命違和感を出したら、壊れるのは当たり前だと思うのですが、頭が納得しているコーチは、その「壊れかけ感覚」も「うんうん、効いている」ということになるのでしょう。