1418話 現場目線 2

私の頭が「こうやっているだろう」と思っていることと、実際にやっていることは違う。実に違う。


現場目線で確かめてみて、その「ずれっぷり」と大量に出会った一日であった。



私の目と頭は南へ向かって歩いているつもりなのだが、身体は南東に向かっているのである。あるいは、一直線に南に向かっていると「思っている」が、実際の足跡は弧を描いている、というようなことがぼろぼろあるのだ。



このずれは、自分の行為と認識の間にしかないのだろうか。


他人がやっていることも、ありのままには見えていない可能性の方がはるかに高い。


ということは、この現実世界の中で、実際にはやっていないことをやっていると思い、実際には行われていないことを「こういうことをやっている」と観ているのが私だ、ということだ。


そんな私が「だからこうやった方がいいんだ」なんて思ったとしても、信用ならない。


逆に見れば、悩んだり苦しんだりしていることも、実は実際にそこに起こったことを、別の景色のように観て、ありもしない悩みや苦しみをわざわざ作っているのかもしれない。


当分、現場目線を駆使して調査に徹すべし。