1449話
ふだんどおり歩くとふだん通り。
さっそうと歩こうとして、さっそうと歩くと、さっそうと歩いている。
と思っていたけれど。
よぼよぼのへべれけに形を崩した後に、ふだん通り歩くと、よほど「自然だけどいい」歩きになる。
その後で、意識的ないい歩きだと思っていたものをやると、とても硬く、こわばっていて、連動性に欠け、耐久性や柔軟性に劣るということが感じ取れる。
さっそうと歩こうとしていた時の歩きは、さっそうとしていたのではなかったのだ。
そこで感じていたのは、「さっそうと歩こうとしている」時の手ごたえだったのだ。
自然ないいものには、ほどんど手ごたえがなかった。