1476話 予定日

今、たまたま妊婦さんが三人整体を受けられている。


「予定日はいつですか」と尋ねながら、ずっと違和感を感じていた。


だって、出てくるのは赤ちゃんの都合であって、お医者さんが決める訳ではない。


お医者さんはあくまで、統計的に算出した「およそこの日くらいに生まれる」という標準値を言っているだけで、別におなかの中の赤ちゃんに予定を聞いた訳ではなかろう。


だから「予定日」と尋ねるのに違和感があったのである。


いつのまにか、『予定日』の方が偉くなって、「遅れた」とか「早くなった」と大騒ぎする。


でも、もしかしたら、赤ちゃんの方は、最初から「予定日よりは数日ずれた日」に「予定」していたのかもしれない。


そこで、F田さんとは今後「予想日」という表現でお話することになった。これなら、数日のずれは問題にならない、ような気がするから。



実は、予想日よりも早い赤ちゃんを「未熟」児と言うのにも違和感がある。


しかし、「未熟」という言葉に違和感があるからと言って、「早熟児」というのも、実態に合わない場合がありそうである。さらにこの語法では、予想日から遅れた赤ちゃんは「超熟」児になってしまい、食パンのようでかわいそうである。


こちらの方は、だからまだ解決していない。