1517話 静かな晩餐

昨日の続き。


ネクスト一日講習を終えて後、ダンススタジオのレンタルの予約の取り消しを忘れていたため、やむなく断念した「ダンシングA甲」さんと、翌朝からの仕事のため、泣く泣く帰った「ミーやん@埼玉」を除いた一同は、色鮮やかな立体的な街へと出でて、一路「いつもの鳥久」へと懇親会に出かけたのであった。


淀川区の打ち上げを何でわざわざ一時間もかけて、灘区までいくのかいぶかしげなS口@初参加さんであった。


鳥久はやはりうまかった。


いや、いつも以上にうまかった。


それは、味わいがいつも以上の質感をともなって重層的・複合的に迫ってきていたのだった。


素材の味、たれの味、出汁の味、さらに素材ごとの食感、くちどけや噛み心地。そういったものがいままで以上に立体的に鮮明に感じられるのだ。


その時のある種の異様さを、鳥久のおかみT中さんは後に周囲に語っている。


「そうなのよ、いつもは一品出るたびに三三七拍子したり万歳三唱したりしているのに、みんなめっきりと口数が少なくなって、失礼なんだけど『いつもと違うやん、気持ち悪り〜』と思ってん」


運動時におけるパフォーマンスを劇的に引き上げ、また視覚領域における『広角度 広い視野 鮮明な色彩 立体感』などを向上させた「右脳テーピング」ならびに「全方向 おなかテーピング・チューニング」は、『味覚』に関しても、劇的な向上をもたらすことが立証されたのである。




人は、認知した情報をもとに、その行動を決めている。


そして、その行動の質が悪い時、稽古やトレーニングで向上に努める。しかし、現実問題としてなかなか改善されない。結果の一面が改善されても、別の面が阻害されていたりする。


ハードトレーニングで、記録は伸びたが、身体を壊してしまって、結局競技を続けることを断念した、というような場合がその一例である。


情報を取り入れることを入力、行為行動を出力とすると、今まで出力を改善しようとせっせと努力していた。


今、その景色が違って見えつつある。


対人関係が苦手な人が、なんとか人前で堂々と落ち着いてふるまえるように努力する。しかし、そういう性格・資質?はなかなか改善されないのが現状である。


右脳テープを貼る。(正確には右脳の脳波や活性している部分がどう変わるかなんて測定したわけではないから、便宜上そう言っているだけだけど)言いかえれば、こめかみや目尻のある部分に小さな伸縮性のあるテープを貼ると、無意識に視野が拡大して、遠近感が明瞭になり、目の前に人がいれば大きく見え、遠くにいれば近くに見える、という現象がほとんどの人に起こっている。


それが客観的な現象であるが、主観的な実感を足すと「近くに見え、大きく見える対象者は『いい人、友達、心を許せる人』として感じられる」のである。


こめかみテープを貼って、数人でおなじ雑誌を同時にのぞき込んだら、一人の意見にみな「そうそうそうそう」と同意するという現象が土曜日の整体教室でもあった。


何の打ち合わせもしていないのに、ほとんどの人が雑誌の見開きページの同じ部分を見ていたのだった。


テープをはがしたとたん、てんでバラバラになった。



性格を変えるのはむずかしい。行動を一変するのはむずかしい。


しかし、情報入力の質や速度や量を望ましい方向に変えてやる。


それができれば、行為行動は勝手に変わってしまう。


今見えてきた景色は、そういうものである。