動きと意識
こわばりがどれぐらい軽くなったかを調べるのに、頭をぐるぐると回すという動作をやってもらうことが多いです。
これが、人によって千差万別。
もちろん、こわばりが取れるほど、首だけでなく、肩や背骨が連動して、なめらかに大きく回るのですが、取れているはずなのにぎこちない人があります。
N川さんはほほ骨を回しているし、M橋さんは目の奥を回し、N津さんは後頭部を回しています。
ご本人は、そういう特定の部分の意識の自覚はありません。
頭全体もしくはその重心位置を回すのが適当なのですが、ご本人が意識しやすい部分、手応えのある部分を回しているので、はたから見るとけっこうおかしい。
意識しやすい部分、手応えのある部分というのは、存在感がある部分です。そして、多くの場合は、それは「不快感が根付いている部分」や「りきみやこわばりが抜けない部分」になってしまいます。
そういう状態で、「動きの改善」を試みたり、スポーツのフォームの上達をはかったりしても、うまくいかないのが当然という気がします。
だから、特定の部位ではなく、体全体の輪郭である皮膚にくまなく意識が行き渡ることは、とても大事だと思うのです。