骨身にしみる理解

今日は特別講座。


ふだんの定期レッスンではやれない角度で、自然体チューニングを学ぶ。


最近「背骨の感触はゆらゆら太刀魚」なんて感覚が現れたので、おのずと「骨格関係」の中身が多くなる。


骨盤と脊椎模型をもとに、その構造を、そのおのおのの骨格パーツの置かれている立場からその心情を説明し、解説する。


みなさん、深くうなずく。


が、これはまだ「頭が納得しただけ」であり、本当に解ったとは言えない。


深く納得したぞ、という感覚が深いからこそ、「でも実は全然解っていないのだ」ということを理解するチャンスである。


骨盤のそれぞれのパーツである骨の立場ないし心情および希望要望は、その骨の「身になってみる」ことで解る。


ということで、5人一組になって、左右腸骨役が2名、左右股関節および大腿骨役が2名、仙椎および脊椎役が1名。


まずは左右腸骨役が、正座し、そこに仙骨脊椎役が腸骨役の肩に座るように腰掛け、その腸骨役を股関節役が内にぐいぐいと押し上げる、というような組み合わせ。


この肩に乗るお尻が「仙腸関節」である。(実際には脊椎は骨盤に乗っているのではなく、はさまれているのである)


股関節からの適切な圧力がどれほど腸骨を安定させるか。また、左右に分かれている腸骨役が、片手を伸ばし合って「恥骨結合」を作った時の激変するバランス。すべての骨格に伝わる安定感。


また中央の脊椎役が、身体を硬くし時に、土台である腸骨がどれほど不安定感におろおろするのか。また左右の股関節からくる「押し上げる力」が伝わって来るとき、どれだけ安心感に包まれるか、などなど。


こうやって、骨盤と背骨の関係を、「骨身にしみて」感得し、体感すると、動きが変わる。


「頭で解ったつもり」と、「本当に当事者になる」ということの違いが明確になる。



今日のテーマは「セルフでチューニングする方法」だけれど、稽古内容は徹底して「組み稽古」をちりばめた。


自分の身体でテーマにする部分を「意識できているつもり」で「こんなもんだろう」とあいまいなまま持って帰っても使い物にならない。


人の「その部分」に見て、触れて、なぞって、動かして、触れてもらって、なぞってもらって、動かしてもらって、これでも実際に正しくそのテーマになっている部分を体認できているかどうか。


しかし、それらの作業が受けていてたまらなく気持ちいいのである。


F倉さんなど、見本役の衆人環視の中、数十秒で寝てしまった。ははは。