先週末から今週前半のまとめ

【練習時の入力モードへの切り替え】


通常の「意識しての動作」(または運動)は、その動作の目的にあった最適な運動をしているとはかぎらない。


その時自意識が意図した動作イメージに対応する「手ごたえ」をつくることをしばしば優先してしまう。


そういう「動作目的と実際の動作のずれ」を是正する方向に修正していく一つの方法が「入力モード切り替え」である。


「周辺部活性化調整法=ともだち方式」を例に取る。


硬直した部分を指先で囲んで「活性化し、ともだち化を促進しよう」とする。


よく考えたら、今までの人生でそんなことはしたことないのだから、どうやっていいか知っているはずがない。少なくとも「私の意識」は。


指から「意図」「やってやろうという気構え」を抜き、「ともだち」の言葉を発した際に、その指が自然に動き出して、角度を変え、何かを追うように動きだした際には、入力モードで動いている。


「ともだち」と発しても、「こりを小さくしてやろう」としていると、これは出力モードである。変化は遅く、受け手には違和感が生じる。


入力モードでやれば、接触点からの情報を連続して受け取り続け、瞬間瞬間の変化に次々にそのまま反射反応して行う動作となる。変化も速く大きい。


「しよう」とするとできなくなる。


今のところでは、『入力モード切り替え(または誘引)言葉』を発すると切り替えやすいということが分かっている。


『入力モード誘引言葉』には、「動作方向性指示語」や「動作目的達成度測定語」などが用いられる。


「ともだち」「仲良し」「つながり」「連動」などは「動作方向性指示語」の例。「今からこっちの方向に変化していってね、動いてね」という身体へのお願い内容である。


「ひっつき具合」「密着度」「浸透深度」「弾力レベル」「硬直部周辺活性度」は「動作目的達成度測定語」の例である。


「動作方向性指示語」が指した方向に、どの程度変化しつつあるかを、測定しようという、より「入力に集注してしまう」ための第二段階である。



動作目的が絞り込めていないと、「入力モード切り替え語」は的はずれになるから、何を言ってもいい、ってわけではない。


この文章を読んで「なるほど、解った!」と思った人は、解っていない人である。「できる、できない」「わかる、解らない」という回路とは別のものに切り替えましょうね、と言っているのである。