仕込み

連日「事件だ、事件だ!」「なんていい子なんだ!」と騒いでおりますが、これはあくまでも「個人過去対比」の話であって、世の中もっともっとまともな方はたくさんおられるのは承知しております。


怠惰な私が、ましになっただけですが、個人的には大事件です。


多少ましになって見えてきたものは、アウトプットの形が明確でないがために、思いつきをくりかえしたり、やらずに済ませていたんだわ、ということです。


今のところ「やった方がいいこと」を積み上げていっているわけですが、積み上げていった結果、何に結実するの、ということがけっこうあいまいであることが多い。


学生時代のバイト先が板前さんがいる、なかなかちゃんとした魚料理を出す居酒屋さんでした。


だいたいお店にお客さんが殺到する時間帯というのは決まっています。殺到する注文を、実に手際よくこなし、見事な料理に仕上げていく板前さんでした。(山ちゃんと呼ばれ、バイト生全員が尊敬し、愛されている板さんでした)


ヨガの指導員になる前に、独立した山ちゃんのお店で住み込みで働かせてもらったことがあるので、そのときに一通りの「仕込み」を覚えました。


殺到した注文を瞬時に完成された料理に仕上げていくのに、なるほどこんなに仕込みがいるんだ、ということがわかりました。


開店前の3時間から4時間かけていました。


その日の用意できる料理というアウトプットの形が決まっているから、仕込む内容も決まります。


その料理というのは、お客さんが納得してあの店はうまい、と評判になるレベルのものです。


ハイレベルな質で、かつメニューがほぼ確定されて、それに向かって必要最低限のものを過不足ないように仕込むのですね。


そんなこんなを思い出したら、自分の仕事ぶりはなんとずさんなんだ、と思います。


試行錯誤といえばかっこういいですが、勝負できるメニューを作っていないだけ。だから仕込みの内容も決まりません。


そういう景色が見えてきました。