2月自然体チューニング講座 講義録6

もういちどペアになってください。


ライオンでもなんでもいいんですけど、人間以外の動物がおそらく当たり前にやっているだろう「視覚に頼らないで、背中側が表だという感覚」で、人に押してもらってバランスを崩されるのを耐える力と、目の前に見えているものがすべてだと思っている人間の使い方を四つん這いでやってみるのとどれぐらい強弱が変わるか、はいやってみてください。

立って遠くを見ているというのが人間の使い方ですよね。立って遠くをみている感覚のまま四つんばいになる。そこで押してもらうのをやってみてください。


一応虎にしましょうか。背中にこう縞があって、はい、そこで周りの気配を感じているという野生状態です。はいどうぞ。


「あ〜すごい変わりました」


 耐久力でてきました?


「全然違いますね」


じゃあ交代してやってみましょう。


次にもう一手加えます。


進化の過程で、四つん這いになる前の形態は「腹ばい」です。海から上がったところは、「ムツゴロウ」みたいな感じですか。陸に慣れてきて、「とかげ」のような体です。そうやっておなかをずるずると引きずりながら移動していた形態から、だんだん地面からお腹が離れていく。


恐竜というのは、大きなとかげなんですけど、後脚で立てるやつもいたみたいですね。ゴジラがそうです。進化のお話ですと、恐竜のように立った形から、一つは鳥の方にいきました。で、ただいまの学説としては、は虫類からほ乳類ではなくて、ほ乳類の前は両生類らしいのですが。オオサンショウウオみたいな感じでしょうか。


そこから四つんばいで歩くやつがいて、そこに毛も生えてきたというのがほ乳類だそうです。


本題に戻ります。


背中に意識を向けやすくするために、背中に虎縞を指で書いてもらいます。横にも…見事な虎縞ができる。みっともない格好をするとその虎縞が着崩れるわけですよね。


だからその虎縞をアピールするような体勢をとってみてください。多分虎達はいざというときに縞がくっきりきれいに見えるようにしていると思います。


私が虎だったらそうします。休息姿勢だと縞は乱れますから。はい縞がぐ〜っとこうなりました。はいどうぞ。


どれぐらいまで力が変わったか。変わりましたね。押す方が足が滑るぐらい。


こういう風に条件を変えただけで強くなるというのは、人間の前世代が虎だという訳ではありませんが、両親の両親の両親とぐっとさかのぼっていけば、四つ足の時代があったのは確かです。その四つ足時代の身体の使い方の回路が、あって、ふだんはそれをちゃんと活かして使っていないのが、その回路にアクセスすれば、ちゃんとその頃の使い方をするしくみがちゃんとあるということだと思います。