竜巻関連/連載22


今日は整体チームでともに活動しため組のリッキーさん(田村さん)もつくば市で活動!(FBで見ました)


13日には、那智勝浦に来てくれていた滋賀県の十川さんが、お仲間とつくば市へ来てくれます。


つくばの被災地でのボランティア活動と思った方は

http://openjapan.net/4739




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【連載22 ボランティア体験記】


4月8日 チーム内に美容師チーム誕生 



最大余震の被害状況が把握できていないという理由で、本日のボランティア活動は基本的に中止。活動できるの日限られた短いメンバーもあるので、ボランティア受付前でマッサージコーナーを設け伊藤桂さんなどが施術。さらに美容師佐藤まいちゃんがヘアーカット。



まいちゃんは、岩手視察直前に参加したメンバーで、それまではいわゆる泥だしボランティアだった。美容師なのでヘッドマッサージならできますということで合流したけれど、6日の活動時に「せっかく美容師なんだからだからヘアーカットしなさいよ」ということになって、本人ちゃんとはさみやら道具も用意しており、美容師活動が開始された。 岩手から帰ってきたら、整体チームは美容師付きのチームに発展していたのだった。


 ※まいちゃん、12日の土曜日からたつまき被害のつくば入りします!お疲れさま!


 
【夜のNPO連絡会議メモより】


○大学内の駐車場、ボランティアは東側の駐車場のみを使用すること(中央は大学関係者が使うため。


○グランドにテントで宿泊している人は、テントにガムテープで団体名・もしくは個人名を明記のこと(トラブル時に緊急連絡のため)


○4月10日(日)に街中プロジェクト実施。町の顔である石巻駅周辺を一気にきれいにしようというプロジェクト。駅前に朝8:30分集合。



 会議の後半、けっこう汚い格好の若者が(人のことは言えずお互いさまだけど)発言を求めた。


「僕は、今日まで南三陸町志津川高校のボランティアをやっていました。南三陸は全然ボランティアが来ていなくっ
て、僕ももう帰らないといけなくって、そうなるともう全然足りないんです。誰か、志津川高校に行って下さい。行ってくれる人はいませんか?僕の携帯番号は090の……です。行ける人、連絡下さい。お願いします。お願いします。お願いします」





4月9日 車が高値で手に入らない  


 雄勝(おがつ)地区へ。明神児童遊園、クリーンセンター、個人宅岡崎家・佐藤家、龍沢寺へ。チームメンバーが増え、雄勝支所まで行った後で、行政の方と相談して行き先を決め、活動避難所4隊に分かれて活動。施術希望者がいなくなったら、他のチームに合流する、という作戦。


 このころ、奈良の柔道整復師・高木さんが、大工の後藤さん(通称は棟梁)を推薦してチームに招き入れる。高木さんによると


「仮設のトイレが和式で膝の悪いおばあちゃんが困っていたりします。廃材を使って洋式の便座を作ったりすることができるんです」


おおお、そんな困りごと・ニーズがあったんだ。ということで後藤棟梁も加えて、整体マッサージチームは、美容師も大工も抱える総合生活サポート集団へと成長していったのである。


 このころのメンバーは旗揚げメンバーの他に理学療法士みっちーとか、整体のリッキー(※ 本日、竜巻被害のつくば市で活動!)とか柔道整復士の高木さんとか、まいちゃん、後藤棟梁など、その後5月に向かって長期チームを支えたメンバーが続々参加していたころだった。短期間でも二度三度と参加の伊藤桂さんなんかもこの時期の参加だ。


 そうやってプロとして活動している人の中に、アマガイ君のように「大学で野口整体に詳しい先生がいて、授業で気の手当を習いました」というだけで参加してくる猛者もいた。


 でも真剣に取り組むアマガイ君の手当を横で見ていたら、受けている人はとろとろになっていたから、ちゃんと効果を出していたのである。


 メンバーが増えてきたら、自然と方針が見えてきた。みんな自分のできることをやればいいのである。そして、自分のできないことを求められたら、チーム内のできる人に交代してもらえばいいのである。


 私は明神児童遊園に参加。他の地域は早々に終わったようで、続々とこちらに合流してくる。メンバーに余裕があるので、たき火を囲んで地元の人と話をする。


 と、目の前で携帯電話で話をしていた人が、苦い顔で電話を切った。奥さんに「70万はする」というような話をしている。


 Sさん。今乗っている車は借り物でもうすぐ返さないといけない。そこで車をつてを頼んで探してもらっている。ところが今被災地では車がものすごい数流されてしまっているので、品薄で値段が高騰している。建設会社で働くことになっているけれど、通勤に車が絶対に必要だ。流された車の保険があるから、○○万ぐらいなら資金はあるが、なんせ高い…、というような話だった。


 ちょうど南境の生活センターに和歌山の車屋さんがいたのを思い出した。車の後のドアが何かがはさまってしまって調子が悪いのを今朝見てもらって直してもらったところだった。そこでSさんに提案してみた。


 「自分が寝泊まりしている宿舎に、たまたま和歌山の自動車販売会社の人がきているんです。こちらで倍近い値段がしていると言っても、関西なら適正な値段で買えると思うんですね。宿舎に帰ってからですけど、もし話だけでも聞いてみようと思われるなら、紹介はできますよ」


 宿舎に帰り「満月屋」(変な名前だけど自動車販売会社だ)の岩本さんに話をしてみた。岩本さんによると、


「こちらで見たら、確かにあまり良くない車でも、ずいぶん高い値段がついているんですわ。まともな値段で車を売ったげるというのも考えんでもなかったんですが、でもそれやと、ボランティアに来たんじゃなくて、ただの本業の商売になるから、控えとったんですわ。」


「ええっと、軽かできれば1000CCクラスで、カーナビが付いてる方がいいんですって」


 年式にもよるが、確かに関西で購入すればずいぶんと安くなるらしい。後は当事者間でお話してもらえればいいので、Sさんの連絡先を伝えておく。


 数日後、Sさんから留守電が入っていて、紹介してもらったけれど、やはりやめておくということだった。もちろん、遠方の見ず知らずの人間との話になるから、近くの知っている人を通じて買う方が安心ということもあるだろうなと思っていた。


 ところが、GWにまた石巻に来たら、ちょうど岩本さんがまた石巻入りしてきた。


「○×△の手続きをちゃんとやったら、車を流された人に××○△の還付金が入るのではないかと思って、そういうボランティアができないかと実態調査を兼ねてまた来ました」


いろいろなボランティアがあるのである。


「Sさん、結局購入の話は流れちゃったんですよね」


「いえ、最終的には希望されたので、和歌山から候補車に乗ってきました。もちろん、気に入らなければ買ってもらわないでいいんです」


 結局Sさんは、当初予算の半額以下で、カーナビもETCもついた「けっこうしばらくの間は乗れるレベルの車」を手に入れた。


 満月屋さんは、これをきっかけに、諸手続費用コミコミで30万円未満(主力20万前後)の超低価格車の販売もおこなうことになった。


 もちろん一方では6月上旬まで計6回現地入りし、南境のボランティア拠点に多数持ちこまれる支援車両の整備・車検等をボランティアで実施。さらに動けなくなった車を持ち主の代わりに回収して、自賠責・重量税の還付手続き代行ボランティアもせっせとやっているのである。


 もちろん、立場を変えて見れば地元民業の圧迫じゃないかという見方だってできるかもしれない。でもそんな規模の被災車両数じゃないと思う。高値で売っている業者だって実際に儲けているのは地元以外の人じゃないかとも思う。こういう活動で被災者が余分に何十万円出費しないですむんだったら、そっちの方がいいと思う。


 いずれにしても、その道のプロが現地の実情を見たら、門外漢には想像もつかない支援の形というものがいろいろあるんだということである。感動した。
 


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【お知らせ】

5月13日1時〜5時

東日本大震災ボランティア支援チャリティ講習会

「皮下チューニング」


新大阪健康道場にて、カンパ制。収益はすべてボランティア活動をしている仲間の支援費用にさせていただきます。