吉田君の一回転

Gフォレスタさんの公演が終わって、吉田君の道場が近くにあるので「時間ある〜」と電話したら、


「実はお話したいことが三つありまして」


とのことで新開地駅前の喫茶店で合流。そのうちの一つ。



最近進化体操をやりこんでいる彼は、テニスコーチの仕事中も、内面および微動にて進化体操に励むなど、無意識反射を活発にさせる日々を送っている。


木曜日、自宅から自転車で緩やかなカーブの下り坂を突っ走っていたら、見通しの良くない前方から、タクシーが猛スピードで突然現れた。とっさにブレーキを掛けたけど坂道で加速しているしとうていまにあう距離ではない。


その自転車のブレーキは前後輪の効き方のバランスが悪く、後輪が浮き上がり、前方回転しながらふっとんだ。


距離、その他の条件は自転車とともにタクシーに激突しておかしくない距離。


もちろん、詳細は記憶している余裕などなかったけれども、彼の言うとおりに書くならば


後輪が浮き上がった瞬間に、とっさに体が飛び上がったらしく、自転車もタクシーの上を飛び越えたのだけれども、「自分の体は自転車のさらに上、つまりタクシーを飛び越えて、タクシー後方に両足着地しました」


だったんだそうだ。


物理的に考えるなら、自転車のペダルが踏み切り板で、ハンドルが跳び箱というようなジャンプをして、タクシーを飛び越えたということのようだ。


急停車したタクシーの運転手には、「大丈夫ですから〜」と手を振って、無事を伝えるとタクシーは走り去った。


「引いた!」


と思った自転車が、自分の車を飛び越えて、こいでいた男性が何事もなく立っているのだから、運転手さんもびっくりしただろうと思う。


吉田君は、上記の反応を、無意識反射をひたすら引き出すようにしている進化体操のおかげであろうとほぼ確信している。彼のテニス時に、イージーなボールよりも、とても返せないような球が来た時の無意識に出るプレーがとてもいい、という経験の積み重ねがそれを言わせている。


進化体操が万能だなんて言うつもりはないけれど、もしまったくやっていなかったらというのを比べたならば、それはかなりの差があっただろうなと思う。


ちなみに、後に吉田君は、タクシーの身元など確認しなかったことを少し後悔しているそうだ。タクシーには事故記録用のビデオが付いているから、それを見たら、自分がどうやってタクシーを飛び越えたかが映像で分かるからだそうだ。


お心当たりのあるタクシーの運転手さんがもしこれをお読みなら、ご一報下さい。新大阪健康道場HPにアドレスがありますので。