やる気/震災ボラ連載49/会計報告

やる気




やる気がないと軽々しく口にする。


ちょっと待てといいたい。


やる気の身にもなってみろ、と思う。



もし、私が「やる気」だったら、


「やる気がない」と口にする本人に対して、どういう態度を取るだろうか。


「ちょっとまって下さい、私はここにいます!」


とアピールするだろうか。


私なら、そうしない。なんせ「お前はいない」と断定させられたのだから。


「そうですよ、どうせ私はいませんよ」と


ますますなりを潜めるだろう。



やる気がないわけじゃない。


やろうとする気がなければ、そもそもやる気がないと嘆くはずがない。



やる気はあるのに、行動ができない、というのがその実態だ。


だったら、行動できること、方向、量を探せばいい。


その気が向いている動きを探せばいい。


最初からこのレベルの行動がすすすと出てこないと


やる気が出ないと決めつけるから、最初の動きに乗れないのだ。



生きている限り気はある。


私の気はすでに動いている。


私の気は常に動いている。


余分な「頭」を持ち込まなければ、それは感じられ


認めればそれは大きくなる。


それが分からないのはせいぜい気絶している時が死んでいる時。


すくなくとも私は死んでいない。


ならばやる気はないことはありえない。  



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「本職でボランティア」 

これは昨年5月に、宮城県石巻市の災害現場でお会いした「過去の災害救援からの経験豊富なボランティア」「さまざまな本職を活かして、被災者に喜ばれる技能・職能ボランティア」のみなさんの活動を、「こんな活動もあるんだ、こんな活動をしている人もいるんだ」ということを多くの方に知ってもらいたいと、大急ぎで本一冊分ぐらいの分量を書き、筆者の関係者にお配りしたものです。とにかく一日でも早く多くの人が読み、被災地にさまざまなプロが駆けつけてくれればという思いで書いたため、内容には筆者の独断や偏見、認識不足や事実誤認も含まれていることをお詫びいたします。



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【 提言編 】 

連載第49回 

人海戦術と長期支援




小規模な漁村のがれきの浜を、人海戦術でいっきにきれいにする。泥出しが必要な地区を、大人数で一気に片づけてしまう。これは、地域・労組・学校・NPOによるボランティアバスなどで、大人数がまとめて来ることで手が着けられなかったところを一気に片づけたりして、とても魅力的な活動だ。いわゆる人海戦術型。被害の規模が大きいので、とてもありがたい形態だ。目に見えて片づくということは、気分的にとても勇気づけられる。


個人がみんな一人二人の自家用車で来て、駐車場はない、渋滞はするというようなロスを考えたら、バスで大人数が一気に来るというのは、かかる交通費も低く押さえられるし、東北のバス会社を頼めば間接的な経済支援にもなる。


でも、そうやって大人数で一気に動員できるような団体は、次には「少人数を長期間」現場入りさせる支援活動をぜひともご検討いただきたいと思うのである。


ボランティア活動は、長期ボランティアによってその活動が円滑化している。地元や社協さんと意志の疎通がはかれ、他団体とのパイプがある。


移送チームは支援の必要な人の住まいと医療機関への道を把握しており、整体チームは避難所の場所や規模を把握しており、避難所の責任者の人と電話一本で受け入れの可否を打診できる。心のケアチームは、ケアが必要な人をリストアップしていて、メンバーが変わっても継続してのケアができるように心を砕いている。炊き出しチームは、


地域ごとの炊き出し必要人数をおおむね把握している。マッドバスターズ(泥出しチーム)は、どこの路上にまだ船があり、どこの角でコンテナが道をふさいでいて、どの町は何割ぐらい泥だしが終わっているかが頭に入っている。


人海戦術が筋肉だとしたら、長期ボランティアは神経系である。情報を集め、コントロール(コーディネート)できる機能があって初めて、筋肉のパワーが生かされる。どちらが欠けても機能しないのである。


では、長期ボランティアの人というのはいったいどういう人なのか。中にはNPOの職員・スタッフとして生活の保証がされている人もあるみたいだ。が、大半は自己負担の人たちだ。


いったいどんな人が長期でやっているんだろうと思われるかもしれないが、読者諸兄と同じ「ふつうの人」が大半である。
 サラリーマンは確かに少ない。フリーのお仕事だったり、季節的に忙しい仕事のシーズンオフの人だったり、というのは確かにある。ちょうど転職を考えて無職という人も多かった。しかし、左うちわでボランティアしている人なんてほぼいない。


大きな動員力を持つ団体は、その底辺の広さを生かして、現地で長期ボランティアができるように、少数をサポートするような仕組みをぜひ整えてほしい。
 

被災地で実際に活動した人は、行けば事前に想像していたものよりも甚大な被害だということが肌身にしみてわかる。あの現場があれからどうなったか気になってしかたがないという方も多かろうと思う。継続しての支援が必要だということを痛感するだろう。でも地元に帰ってきた自分は何もできない…


だったら、その地域・職域・学校などの構成メンバーで資金を負担して、長期活動できるメンバーをその地にぜひ送り込んでほしい。


今回のボランティア活動は、携帯電話が大活躍の現場だった。多方面にでかけつつも、先方の状況によって離合集散して有機的に動いた。これは過去も災害の時にはなかった感覚だ。被災地も広いし、活動現場も拠点から遠方だったりする。連絡を取り合う回数も多い。だから長期メンバーの携帯代だけでもかなりの金額である。車があるととても便利なのだが、ボランティアの種類によってはガソリン代もばかにならない。


ただし、逆に交通費と通信費以外の「衣食住」にかかる費用はあまりなかったりする。長期活動している中で、地元の方との信頼関係が生まれ、リラクゼーションチームだけでも、小竹浜の地元の方の別荘と、避難所になっているラブホテル「まりな」はいつでも宿泊に使ってください、という状態だ。


南境生活センターでも、炊き出し隊が常駐しているから余った炊き出しをいただけたり、支援物資のだぶついたおにぎりなども回ってきたりする。


復興が進むにつれて、被災者の姿がわかりにくくなる。避難所が解消され、仮設住宅にとって変わるようになると、今のように効率的に体のケアに回るということはできなくなる。だから今、誰がどうなっているかまでを把握している長期ボランティアの必要性が復興が進むにつれてますます増してくるはずである。


団体の力で、長期ボランティアの生活支援をし、活動支援をする。それが可能な団体の方には、切にお願いする次第である。


大半の団体は、人海戦術でいいんです。そういう中の一割ぐらいが、そういうふうに舵を切ってもらえればなあと…。


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【新大阪健康道場 被災地支援活動支援基金

●10月会計報告

 収入  前月繰り越し 49316円
     定額募金   15000円
     その他募金   3500円
     合計     67816円


 支出  琵琶湖浮遊流出物撤去活動 十河氏 5000円
     同上 大阪ダッシュ隊       5000円

 残高         57816円