自由と制約/震災連載50回

たこ焼き方式・バームクーヘン型となり、新型TY式あらため、TB式生活・仕事改善法の話です。



さて、10秒から始まる会議方式の報告をしました。その続きです。一項目に10秒から始まって、バームクーヘンで回しながらかける時間を増やしていくという方式で生活をリズムづけると、集中力が途切れず(というか、途切れる前に中断になるので、途切れようがない)、疲れず、やり残しが減り、視野が先を見たものになり、早起きになってしまった、ますますです、という話です。



今自分で書いていて感心しました。集中力が途切れずのところです。集中力が途切れる前にやめるから、集中したままになっていたんですね。なるほど。25年ぐらいやっていませんがパチンコと同じですね。勝った球数を上回っているうちにやめれば勝ちなのに、下回って買い足すから負けるのでした。勝っているうちにやめれば勝つんですね。集中力もあれと同じだったのか…



そういうたいへん集中密度の高い生活をしている一方で、進化体操の取り組み方は対極的な様相を見せております。



「穏緩発進」=「おんかんはっしん」と名付けた方法です。穏やかに(おだやか)に緩やか(ゆるやかに)スタートしましょう、ということです。これはその後の「自湧発展」(じゆうはってん)というのと対になっています。



活発に無意識反射が出るようになったからといって、その時の体操のスタートはあくまでもおだやかに、ゆるやかに、できることの非常に少ない赤ちゃんに戻ってスタートしましょう。そして、体操の1〜7までを繰り返すうちに、その時のその身体からおのずからでてくる活発化箇所をキャッチして、自然にそれに乗っていきましょうということです。



バームクーヘン方式が、時間という「制約」を付けることで活性化を図るのと対局に、穏緩発進・自湧発展は、上達は身体にまかせてしまおうという制約を外すことによる発展です。



どちらも、効果がちゃんと出ています。たぶん両方が必要で、多くの場合逆をやり袋小路に入ってしまうのではないかと思っています。



野口晴哉先生は「楽々悠々」という言葉を繰り返し使っておられます。超・積極姿勢のその生き様と何か合わないような気がしていました。



しかしながら、それは「現状維持のマイペース」ではなく、発展・上達には欠かせない「からだペース」のことではないかと今は思っています。



過去にメインで修行していたヨガも「無理をするな」ということを強調していました。これもまた、「今の私が考える無理のないやり方」ではなく、身体がどんどんその機能を向上発展させていく、これしかないという「からだペース」を探し続けろということではないかと今は思っています。





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「本職でボランティア」 

これは昨年5月に、宮城県石巻市の災害現場でお会いした「過去の災害救援からの経験豊富なボランティア」「さまざまな本職を活かして、被災者に喜ばれる技能・職能ボランティア」のみなさんの活動を、「こんな活動もあるんだ、こんな活動をしている人もいるんだ」ということを多くの方に知ってもらいたいと、大急ぎで本一冊分ぐらいの分量を書き、筆者の関係者にお配りしたものです。とにかく一日でも早く多くの人が読み、被災地にさまざまなプロが駆けつけてくれればという思いで書いたため、内容には筆者の独断や偏見、認識不足や事実誤認も含まれていることをお詫びいたします。

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【 提言編 】 

連載第50回 

被災地地域外からの行政マンの応援派遣





被災地の行政職員は、その多くが被災者であり、またその職場は、同僚の幾人か津波で命を失った職場であったりする。ボランティアの受け入れ窓口になる社会福祉協議会にも、全国各地の行政マンが応援メンバーとして投入されていた。



およそ一週間交代というのが標準的なパターンのようだ。(石巻南三陸町のボランティアセンターでは)



ボランティアが集中するのは土日である。すると、平日とは対応がずいぶん違ってくる。



現場の社協の方は、せっかくの応援でありがたいが、一週間の任期を2日のばして、土日だけは前任と後任がかぶるようにしてくれたらもっともっと助かるのにと言われていた。通常の社協の活動だけだったら、来る人はみんな行政のプロだからこんなことは言わない、簡単な引継でもみんな動ける。でも大量のボランティアの受け入れなんて業務は、ほとんどの地域でやったことのない業務だから、とその職員の方は言われていた。



送り出す自治体の長のみなさま、そういう相手方の密かな希望があったりする。被災地側からは言い出しにくいだろう。でもほんとうは、一週間派遣された自治体職員には分かることだと思う。ああ、こうやってちょっと慣れたころには交代なんだなと。土日だけは、もうちょっと人手がないと回らないなあと。帰って上司に進言する人は何人いるんだろう。進言を受けて動いた上司はいるんだろうか。動いていたら、ここまで書いた話を私が聞くことにはなってないか。すでに改善されていたらごめんなさい。



誰も言わず、誰も動かずだったとしたら、それは被災地救援ではなく、いつものお役所仕事じゃないかなどと部外者は思う。自分のやっていることは一番見えていないということもあるから、私自身の分野でそういうことがないか精査しますので、こちらの方も前向きに参考にしていただければと思う。



【2012年11月20日 追記】

昨年5月の時点で、ボランティアセンターのメインになる「社会福祉協議会」のみなさんを行政の職員だと思っておりました。那智勝浦の活動を経て、外から見たら行政にしか見えない社協ですが、構成員のみなさまは「私たちは民間です」と名言されておりました。



社会福祉法人の職員=行政の職員 ではない、ということですね。



だから、上記の文はけっこう的はずれの中身にもなっています。そして、宇治の水害で分かったように、あらかじめ用意されたマニュアル、応援の場合は協定でしょうかに沿っていますから、不都合だろうと実態にあわなかろうと、そのルールがあるからこそ応援派遣も可能であると同時に、そのルールはおいそれとは変えられないということもまたあるということでした。