1議案につき10秒ずつ検討する会議

新型TY式で会議をしてみた。



TY式すなわち「たこ焼き型生活・仕事改善法」が採用し、また進化体操の進行方法として採用している「処理項目を直列にならべず、あたかも円に並べるようにし、うずをまくように一つ一つにとりかかる時間を一定のリズムで増やしながら行う方法」である。


進化体操普及促進指導者の会でのことである。



進化体操にぞっこん惚れ込み、習慣化し、仕事に全面的に取り入れ、多くの方々に身につけていただこうという志を立てた3人である。進化体操指導者必須実践項目として、日々のお仕事を新型TYの実践によって「もっとも体から活発化や上達を引き出す進化体操の進行方法は、そのまま生活実践に使えるはずである」の検証および修正箇所の発見に励む3名であるから、うずまきのリズムにはかなり慣れている人たち、という条件付きである。



技術の整理から、情報の発信方法、イベントの企画と次回の内容など議題は11個。


まずは11個の議題を一つ10秒ずつ話合う。


その議題が具体的に何に関するのか、の合意ができる前に時間切れとなる。なんせ10秒だから。



一通り終わったら20秒ずつ。少し漠然とした発言をしようものなら、またたくまに終わる。


続いて30秒。徐々に「あ、話が進み始めた」という感触が生まれる。


続いて1分。



こういう展開になると、その議題に1分かけられるというだけで、「じっくり話ができる」という感じになるのがおかしなものである。じっくりでっせ、じっくり。



以下、ある議題に2分をかけるころには、議題のいくつかはまとまりや担当が決まり、数個の議題が決着がついてクローズ。(もうこの議題はおしまい)


3分ずつ時間をかけるころにはほとんどの議題に「今日の時点でこれ以上無理矢理アイデアを引き出す状態にはないね」という担当分けや方向性の一致や実行待ちなどの結論が出てしまった。


一つの議案に累計時間平均4分、もっとも時間がかかったもので8分ほどで現状認識が一致し、方向性や担当者などが決定していった。


卓球のような会議だった。


難点を一つあげれば、議事録は「マインドマップ方式」で書いていったのであるが、あまりに進行が早いために、書くのがおくれがちになり、悪筆になり、判読に時間がかかるという一点。


Y田君から、議案に関して、「それぞれがあらかじめポストイットに書いてくる、もちろん、自分でそこに書くときにも渦巻き方式で書いておくというのでどうでしょう」という提案がなされた。


なるほど、これなら貼るだけでいい。できあがったら写真に撮っておしまい。


世の中には、たいして結論も出ない会議の準備、出席、議事録などに膨大な時間を浪費していると感じられている方々も多かろうと思う。筆者がかつて経験したものでもそういうものはきわめて多かった。


世の企業の方々が採用されるなら、会議の効率は数百%向上するであろう。が、条件としては「1議案10秒」「20秒」という時点で、そこに意識を没入させるということである。


「なんだよ、ふざけやがって、10秒なんかでできるかってんだい」


などと、「場にはいても、心は参加していない状態」であれば発想や行動の回転がふだんのリズムから外れない。


発展していかないマイペースは、惰性である。今の自分にできることだけやっていたのでは事態は好転しない。


できないことばかりやらされるといやになる。


できないことを、できなくていいから手を付けて、できる方に向かって進めていくのが順当なのだ。



ところでTY式のTYというのは「たこ」「焼き」の頭文字である。これはたこ焼きをアットランダムに片っ端からひっくり返す様子を生活や仕事の処理の仕方になぞらえて命名したものである。



しかし、昨今の「回しながらふくらませていく方式」が必須不可欠になった状況を鑑みると、これはたこ焼きではない。あえて探せばこれはバームクーヘン(Baramkuchen)になるかなと思った今朝の津田でした。でも、手を付けているうちに、終わったものが出てきて、残った最後の方は手の付けやすい方からやっていくからやっぱりたこ焼きの要素も残しているし。


だったら、「バームクーヘン&たこ焼き」でBT式かなあ。読者のみなさんにはどうでもいいでしょうけど。