偽装めまい

母を車に乗せて年末の墓参りを終え、実家に帰った時の話です。


助手席の母が先に降りました。降ろす荷物があったので助手席のドアは大きく開けたままです。サイドブレーキを踏んで運転手席を降り、助手席の荷物を降ろそうとしたその瞬間にそれに襲われました。


いきなり平衡感覚がなくなり、立っていられなくなったのです。膝が抜けて景色がぐにゃっと曲がりました。吐き気さえしたのを覚えています。これがめまいというものか、メニエルか、あれー、このままだと俺は倒れるぞ、と1秒ほどの間に頭をよぎりました。


と、その時、車がゆるゆると動き出しているのに気がつきました。


とっさに助手席側からから車に「跳び乗って」、ブレーキを踏んでギアを停止に入れました。めまいはあとかたもなくありません。


以上の話は「原因不明の突然の立っていられないぐらいのめまいが、緊急事態に際して瞬間的に治ってしまった」という話ではありません。まったく逆なのです。


停止していると思っている車がじわっと動き出した時に、私の脳は、停めているはずの車が動いているというありえない事態に対して、これは自分の方がよろめいているというつじつま合わせをしてしまい、理由もなく自分がよろめくというはずもないので、ありもしないめまいの症状をとっさに作り出したのです。


脳や意識というのは、こういう芸当をやってのけます。つじつまを合わせるために、平気でめまいぐらい作り出すのです。自分で自分をだましています。


今回は2秒ほどで、症状は消えましたが、実は同様につじつま合わせ程度のものが、長期にわたって深刻な身体症状が続いている方も多かろうと思われます。そして、その心身のストレスが、今度は本格的に偽装でない症状を引き出している例もたくさんありそうです。


脳や意識というのは、そういうものだ。作りだす力があるなら、逆に何年かかっても変化しなかった症状を短期間で帰ることもできるはずです。今言えるのは、それだけですが、自分ではっきりと「瞬時に作り出した重大で深刻な身体症状とそれが瞬時に消える経験」を捕まえたことは、収穫だったと思われます。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【新大阪健康道場から】

1月5日6日の進化体操特別セミナー「あらゆる指導するお仕事の方向け」は、おかげさまで満員御礼となりました。


進化体操受講希望のみなさまは、1月27日10時〜5時


進化体操一日講座(初心者〜基礎をじっくり=レベル1)

「心身をとにかく柔らかくする 弾力と柔軟性劇的向上セミナー(仮題)

へどうぞ。