野菜いためは弱火でつくりなさい


この本を読んで、私が「常温の少量の油に、油を溶いた卵で合わせたころものとんかつを入れ、ゆっくりと40度から50度の温度を経過させて14分かけて130度をめざし、一度上げたあとで高温30秒の二度揚げ」をする機会はないかもしれない。


この本を読んで、私が「超弱火で8分かけて野菜いためをつくる」機会も当分来ないかもしれない。


この本を読んで、私が「水一リットルに対して、塩15グラム」を入れたお湯でパスタを「二つに折って」ゆでて、「冷たいフライパンから弱火でオリーブオイルでガーリックと唐辛子をいためる」という方法でペペロンチーノを作ることも当分ないかもしれない。


でも、この本は私の「整体」の向上および「自然性の高い運動回路の引き出し」という仕事に対して、とても刺激を与えてくれました。


中華料理の「炎の吹き上がるような超強火で炒めている」ように見える調理法は、実は「これこれこういう理由で家庭のコンロの強火とは違っているから、家庭でやるなら弱火がいいんだ、というようなことが実に説得力のある解説でぐいぐいと入ってくる。

世間中の常識になっていたとしても、決して正しくはないことはいくらでもある、ということが、身体運動を追いかけている身としては頻繁に経験するが、料理の世界も同じだったんだということを嬉しく読んだ。


水島先生の場合は、なぜその方がいいのか、ということを油や野菜の細胞の性質や浸透圧や肉の中の油分の変化する温度と変化する特性などの根拠を割り出しているので、ますます説得力がある。


冒頭に「これこれの料理を作る機会はないかもしれない」というようなことから書き始めたけれど、たぶんその中の一つ二つは近いうちに着手しているような気がする。それぐらい「やってみたい」と思わせた本である。


どちらかといえば、筆者は「常識とは違うけれども、こういうやり方をすると劇的に好転するんだから、つべこべ言わないでさっさとやらんかい!」というスタンスで講習している。そういう言葉使いはしなくても内面はそんなもんである。


しかしながら、それでうまくいくということは、うまくいくだけの裏付けがり、その裏付けがやり方をさらに効果的にアレンジしていくということがありそうである。


今年は水島先生のように「こうやればこうなる、だからこの方法を選ぶ」ということを丹念に裏付けていこうと思う。


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開始2時間で相手がとろける整体入門

1月5日10時〜4時

http://ameblo.jp/sinkataisou/entry-11716427041.html