DRT狛江

DRT2014狛江

速記しましたー!


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この速記録は、その場でせっせと書いたものですが、完全な口述筆記ではかえって読みづらく意味もとおらなかったりします。ので、その場で津田が「こういうことを言われているのだな」と理解した(と思った)ことに意訳されている部分があります。そこに間違いがある場合は、講師の意図と違う内容に変換されている可能性があります。

講師のお話しがあまりに興味深い場合は、筆記するよりも聞き入って書き漏れているところも多いことが予想されます。また非常に微妙なニュアンスなことは、あえてバッサリ載せていないケースもあります。そのため前半で問題を指摘していて、不掲載部分にあった解決策が書いていないことなどもあります。


でも、多くの方に知っていただいて価値のある内容だったことは間違いないので、完ぺきではない速記録ですが、掲載いたします。


講師の方々、主催者、参加者のみなさんが「ここはちょっとニュアンスが違うんだけど」「まったく違うんだけど」と感じる部分がふくまれている可能性があります。そういう部分はぜひともご指摘いただければと思います。メールでもコメントでも寄せてください。すぐに修正しますので。



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2004年の中越地震震源地の川口町と狛江市は姉妹都市です。そういった関係もあって狛江市は災害ボランティアには理解がある自治体です。

●技術を兼ね備えた災害ボランティアへのこだわり

1995年 阪神淡路大震災

130万人のボランティアが神戸へ。20年まえ。ボランティア元年と言われた。しかしスコップと土嚢袋というボランティアの形態が進化していない。


次に大きな災害がナホトカ号です。このあたりからボランティアの健康衛生などの問題が出て来た。

2000年は名古屋の水害、中越地震

2004年は新潟の水害。梅雨の時期。夏休みでボランティアで47000人。この年台風が10個上陸。10月20日、豊岡の大雨につながる。23日に新潟で地震。その冬には豪雪。中越地震よりも雪害で亡くなった方の方が多い。

赤紙 黄紙 緑紙

応急危険度判定 ほぼ意味なし。近づくな、危なそう、大丈夫というだけの判定です。

2005年に内閣府の音頭で、もう少しボランティアに支援の手が伸ばせないかという会議が開催されて、黒澤さんも少しかかわった。役所が介入すると、マニュアルを整備しだす。すると今までやれていたことがやれなくなる。

責任問題が出てしまう。ボランティア保険の対象にならない仕事はやりませんになってしまう。

外見、何の問題ない家も赤紙が貼られるとお手伝いに行けない。この時ボランティアは派遣先がなくって待機。マニュアル通りの弊害。実際に赤紙の家に入った。でもその中には家の人がいる。

●技術を兼ね備えたボランティアの仕組み

能登地震の際、くずれたブロック塀の処理をハンマーで人力でおこなった。人海戦術だけではどうしようもない。重機の必要性を痛感。中越地震の重機支援をやった風組の方と訓練しましょうということになった。DRTの始まり。


●近年における自然災害の特徴

梅雨前線も変化、台風の巨大化、時間50ミリが続けば、たいていの河川は氾濫の可能性がある。

水害の原因である整備されていない森。商売になる森(山をちゃんと守ってきた森)は大丈夫。でも手が入っていない森は、下草が生えず、根が浅い。

日本森林ボランティア協会の入江さん登場。

入江:2004年から。大阪に事務所があり、箕面国有林金剛山などの間伐をやっています。日本の木は密度濃く植えて、間引いていい木を残して育てる。それが間伐。森づくり。チェーンソー講習もやっている。間伐作業で使い勝手を知り、水害の家屋の床板はがしでやってみた。その後に協会も災害ボランティアにかかわるようになり、被災地支援にチェーンソーの価値を確認。協会内に災害支援部会を作る。

ルール作りがやはり足枷という面もあり、必要性を感じることでもある。

国土の7割が森林で、4割が人工林。戦後に一斉植林をしたが、外材が入って放置林が増えた。スギ、ヒノキ。根が浅いから大雨で流れてくる。そういう現場ではチェーンソーがなければ


●災害ボランティアセンターと連携しながら活動する「独立型の団体」

被災地に入ってもニーズ待ちはしません。だって、ニーズが上がってこないから。基本は人力です。

国際ボランティア学生協会。宮崎さん、いなたさん。
イビューサ。学生のボランティア集団。4年間活動する。OBが地域に帰る。地域のボランティアリーダーになったり、被災地になってしまった時のコアになることなどを目指して活動。他人と地域

金華山では、イビューサの人海戦術で出た泥の重機による搬出、搬出路の整備というような形で連携。

大川小学校の地域に入った時。学生たちが活動しているところから大声で笑う声が聞こえる。何を不謹慎なと思って見に行ったら、笑っているのは地域の住民の人たちだった。被災以来初めてこんなに笑った、(第一部ここまで)


11:00〜

第二部

ボラセンは社会福祉協議会が立ち上げるというのが常識ですが、阪神大震災の時にはまだそうではなかった。

ボラセン=職安的な方式。社協はピラミッド。地域、県社協、近畿ブロック、全社協…。ボラセンを作るようなマニュアル?になっている。しかし、もとは社会福祉系の人なので、草食系(笑)。それが肉食系のボランティアの集まるボラセンを仕切れという話。ある日突然福祉法人が災害支援の中心になる。


大船渡の社協の只野さん。

[

岩手県です。陸前高田の隣です。4万の人口です。漁業の町です。
420人が亡くなり、5000軒の家が被害を受けました。聞いて頂きたいのは、平成13年に合併した周辺の郡部地域があって今の大船渡市。非常に広いです。ボラセンから市のはずれには40分から50分離れたところが大きな被害を受けたところなんです。


大船渡市のボラセンは311の翌日です。12日です。当日に市から要請があり、翌日に立ち上げた。毎年の防災訓練があったが、どう立ち上げをすればいいかわからなかった。とりあえず市役所の前に机を出した。机といすとマジックと模造紙があった。


大船渡市には34000人。ニーズが3400件。2011年のGWに最大400人。対応するスタッフは私を含め3人です。全社協から派遣が秋田社協などからあって、そのつながりの先に技術系の人とのつながりがあった。

泥だし、がれき撤去
床板はがし
家の撤去???

市と調整役になって土嚢袋を引っ張ってくることなどを、技術系経験のある人たちに入ってもらった。そんなこともあったが

●技術系ボランティアとの連携の実際

1 作業現場の指揮官 作業コーディネーター

どういう作業が受けられる受けられない、安全性を担保できるか。適切な配置。

2 津波がメインだったので、被災瓦礫はその家があったところにあるわけではない。地震とは違う。現場で判断することが非常に必要。安全性を確保しながら、ニーズに応える

3 大船渡。ここまで津波が来るとは思わなかった。=規模範囲が広い。大きい。どういうニーズがどこから来るかわからない。でも素早く応えたい。

実例 

側溝のふたをあけて泥だしをする。専用の器具があり、重機と連携する。

流木の撤去作業。丸太をどけないと車も入れない。貯木場が近くにあったので、いたるところに流木が。こういった作業は一般ボランティアも社協職員もできない

家屋の解体。こんなことするとは思ってもいなかった。実例としてはあった。ボランティア保険は出ない。職員なら労災になるかも。

4000件のニーズのうち、個人宅が2000件。こういう重機・動力系ボランティアでないと対応できないものが多い。床板を切ってもらわないと床下の泥は出せない。

器材の調達。どういう使い方をする器材なのか。そういう知識も重機系ボランティアに助けてもらいました。土嚢への土の詰め方、量だって目安、いい方法というのはある。


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ボランティアといえば人海戦術でしたが、震災後は人海戦術だけでは機能は果たせるのか。プラスアルファが必要ではないか。

社協はボラセンを立ち上げるけれども、運営スタッフは作業ノウハウを持っているわけではない。私は、実家が鉄工所だったので、使える金属系の機械はたまたま動かせた。

しかし、一般的な社協スタッフだとニーズに応えられるのかどうかという判断がむずかしい。今日お話ししているのは、現場で、その時に「これがいい」と思ってやったことで、社協ボラセンのセオリーは外れています。非難を浴びる面もあるかもしれませんが、実際なんです。

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黒澤
社協というのは、上のスタッフは役所からの出向だったりします。そういう組織的な性格があります。住民の顔を見ているか、役所の顔をみているか。


●技術とは

たとえばチェーンソー。精密ですぐに壊れます。なんでも切れると思っている人がいますが。切れるのは木だけです。小石が挟まっていても切れなくなります。

石巻にも日本製紙の丸太がいっぱい。これは撤去が目的ではなく、ボランティア投入するための道を開けるための作業です。がれきも。もちろn家の人の了解を取って。間違えて鉄板を切ってけがをした人だっている。切れるものと切れないものがある。危険ですけど役に立ちます。


小型の重機。ユンボ。体育館の泥を出すためには、グランドの泥をどけないと出せない。学校に流れて来た自動車

新潟のホームセンターでは重機のレンタルができる。(笑)


大ハンマー。塀が崩れる。道路側だったり隣家の方だったり。道がふさがれる。重機を使わなければ大ハンマーが必要。

除雪機 泥だしに応用してみた。湊小学校。そして炊き出しができた(がってんさん登場・写真にね)

人海戦術ができるための下ごしらえとして、重機や動力系の作業をする。前の日のうちに床板をはがしておく、フローリングをチェーンソーで開けて、はがすか、穴だけにしてもぐるか。そういう下準備をして、翌日は人海戦術。その前日の部分の下ごしらえに技術が必要。

3トン以上の重機はさしさわりがあるが、3トン以下なら庭先には入れるし。

大雪の大月のボラセンの駐車場の除雪をして、翌日のボランティアに備える。そんな下ごしらえもある。

モンキー、バール、道具の名前を知らない人もおおいよ。

倒壊しかけの塀や家屋をとりあえず倒れないように、チェーンソーで太い木でつっかえ棒を作って処置するというような重機系動力系ボラのお仕事。

※防災用品屋さんが売っている災害用キットの「書けない話」が一つ

チェーンソーの連携。切り組とメンテ組というような方法があります。

ボランティアもいろいろな人がいて、いろいろな技能の人がいて、経験積んで、組み合わさって、いい現場仕事やりましょう。

現代の一領地具足だと思っています。ふだんそれぞれがそれぞれのところで日常をすごして、いざという時にやりと兵糧もって駆けつける。




午後の部


風組 田原さん

倒れたブロック塀。平たく地面に横倒しになると、割れなくなる。


鉄筋入りのブロック塀のエンジンカッターでの一部除去


中越では高さ二メートルのブロック塀あり。解体には重機。


おおや石のコンクリート接着の塀の倒壊例。はつり機で砕く。


床上げ

畳を上げる場合。同じ場所に同じ畳を戻さないとうまく入らなくなる。目印をつけてから畳を上げる。


一部切り取って床下の確認。床板をはがしたあとに、再度使うので使えるように床をはがす方法。カットは根太の真ん中で慎重に切る。床板にも番号を振って同じ場所に貼れるように。丸のこが痛まないように、慎重に釘を抜いてから

根太の感覚がせまくて泥だしが難しい場合の根太の切り方。


消石灰は土にはまくが、木材にはかけない。発熱する場合もあるので用心。床下にもぐれない部分の消石灰撒きに、手前に山積みした石灰を、ブロアで吹き飛ばす作戦。成功。

釘の抜けないヘリの床板は、斜めに差し上げて抜く。

ビニールクロスが貼ってある床板もある。

フローリングは切ると再利用はできないことを住民の方には事前にしっかり了解してもらう。根太に接着剤に貼り付けているケースもある。こういう場合は根太ごとはずす。

風呂の解体。大船渡では多かった。ユニットバス。インパクトドライバーを使ってねじ抜き。力を入れないとねじ山はつぶれる。


家じゅうがれきだらけの家の一般ボランティアが作業ができる下ごしらえ。天井板そのものが裂けて、垂れ下がっていることだってある例。


竜巻。あり得ない立木の折れ方。真ん中あたりで捻じれて折れている。ふつうはありえない。やや専門的につき割愛。


道をふさぐ倒木。つくばの竜巻の際。根っこごと倒れる場合だってある。この場合不用意に木の先端の方を数メートルごとに切ってしまうと、だるまのように急に起きてしまう場合がある。


放置しておくと、電線に倒れてしまいそうな木の伐採。


大船渡。家の前をふさぐ直径1メートルの巨木、丸太。通り道をあけるためだけの部分を撤去するだけでもおお仕事。


その他、チェーンソー、はつり機、エンジンカッターがないとでいなかった大船渡の作業の数々。

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小林さんの交代

洗浄と消毒について



そもそもなぜ消毒が必要か。汚物、死骸などはを含む堆積物。放置しておくとくさったりシロアリが湧いてきたりする。洗浄して乾燥させる。乾燥させないと消石灰は効かない。

家の人がどういう生活をしているか、どういう再建をしていくかで、経済力など、判断して、床の処理、床下の処理などケースバイケースになる。


洗浄 
高圧洗浄機による外壁の洗浄。

高圧洗浄機のいろいろ
 圧力が強すぎてもよくない場合がある。
 外壁、屋内。
 先に考えてからやってね。
 
高圧洗浄機。国産がいいです。故障のことを考えても。(根拠しどろもどろ(笑))


屋外や道路の場合は2万円ぐらいのエンジンポンプが手頃。水圧は弱いが水量は水さえあればこちらが入手しやすいし、よく落ちる。


柏崎の塀の解体の様子。あえて道路に面した塀を人力で2週間やる。ボランティアに不慣れな現地の人とこの作業を見てもらうことで、徐々にニーズが上がってくるようになり、この地域は最終的にすべてにニーズに対応。


屋根瓦の片付け

河原は軒先からてっぺんに向かって止めていく。釘と銅線。カワラがカワラを止めていく、1列目が2列目を止めて(押さえていくような構造)

以下専門的で書けないので省略

撤去したカワラもコンクリートと土のカワラだと処理が違う場合があるので自治体に確認してちゃんと分ける必要があれば分ける。


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山形のジャッキー(遠藤)さん 雪害について


道具がないという前提、一般向き

角スコップが基本 硬い雪には剣スコップ

スコップの使い方

スノーダンプの使い方 


写真なし

●雪かきサイト 参照


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あだちさん のぶさん

燃料の取扱いについて

石油ストーブにガソリンを入れてしまったボランティア。

ガソリン
 車 発電機 

混合油
 チェーンソーはこのタイプ
 
 2サイクルのエンジンの方が2サイクルよりも小さくできるから、2サイクルエンジンの機器が多い。その場合はガソリンにエンジンオイルを50:1とか25:1とか混合させることが必要になる。

灯油や軽油はポリタンクで運べるが、ガソリンは専用の携行缶でないと運べない。さらに中身を明示しておくこと。燃料を携行缶に入れた人が使うとは限らないし。


回りに火の気がないかというような場合、周囲への注意。チェーンソーの燃料補給などの場合。


オイル(潤滑油)の場合