2014DRT狛江 二日目 速記録
現場を知り尽くしたメンバーならではの事例提案報告知見が披露される中身の濃い日々。二日目。
※書き洩らしたこともたくさんあります。
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この速記録は、その場でせっせと書いたものですが、完全な口述筆記ではかえって読みづらく意味もとおらなかったりします。ので、その場で津田が「こういうことを言われているのだな」と理解した(と思った)ことに意訳されている部分があります。そこに間違いがある場合は、講師の意図と違う内容に変換されている可能性があります。
講師のお話しがあまりに興味深い場合は、筆記するよりも聞き入って書き漏れているところも多いことが予想されます。また非常に微妙なニュアンスなことは、あえてバッサリ載せていないケースもあります。そのため前半で問題を指摘していて、不掲載部分にあった解決策が書いていないことなどもあります。
でも、多くの方に知っていただいて価値のある内容だったことは間違いないので、完ぺきではない速記録ですが、掲載いたします。
講師の方々、主催者、参加者のみなさんが「ここはちょっとニュアンスが違うんだけど」「まったく違うんだけど」と感じる部分がふくまれている可能性があります。そういう部分はぜひともご指摘いただければと思います。メールでもコメントでも寄せてください。すぐに修正しますので。
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●現場コーディネーターについて
仕事で言えば現場監督ですね。ボランティアコーディネーターというボラセンでマッチングとは違います。現場です。
災害が起きる、(風組では)数時間後には出発到着するようにしています。311の時は12日の早朝から開始でした。拠点が立ち上がって活動開始です、その時点ではまだボラセンは立っていませんし、陸前高田などは社協そのものが流されていました。
この時は12日の名取。今日は会場にも設置している炊き出し器「まかない君」持参で炊き出しをやりました。名取の中学校です。温かいものを提供できました。まかない君は富山のヤマヤさんの製品です。
ヤマヤの山本社長
阪神大震災の経験から炊き出し用品を作っています。現場に学んだ商品を企画販売しています。11日の10時に出発です。名取のゆりあげ地区です。ボイラー、ポンプ、かまど、流しなど自己完結できるように持参しました。1千食分です。
最初は水が不足。流しがあることや屋根のあるところの下であること、など炊き出しをするにも留意しないといけないことがあります。衛生面です。
調理は出す側と受ける側を区別しない、避難されている方々にも積極的にさんかしていただくようにしました。体育館もその日は使えず、体育館が使えるようになってからは2か月間そのかまどを使われました。
黒澤
ものすごい大混乱でした。住人同士のトラブルもあった。そこにかまどが行って、お母さんたちが野菜を切り出した。そこで一つ流れが落ち着く方に変わった感じがしました。
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まず拠点を確保します。そこを起点にできることをやっていきます。金沢の水害。報道もされずボランティアも集まっていない。一軒のお宅におじゃまして、床上げをして。それを近所の人が集まってきました。見せます。何をする必要があるのかを理解し、やり方を覚えてもらいます。
拠点に住民の人が来られます。まさかと思っていたと異口同音に言われます。どうしていいのかわからない。いろいろと聞かれます。これからどうなるんでしょう?いろいろな質問をされます。必要な情報をお答えすることで安心されたり、行動につながったりします。そういう幅広い知識が現場コーディネーターには必要です。
赤紙、黄色紙のほかにも「危険宅地」「要注意」とかあります。
これは、別に全壊判定ではありません。危険があります。カワラが落ちそうです、ていどで貼られたものかもしれません。それらの紙の持つ意味をちゃんと調べて住民の方に告知していく。そういうことととても大事です。
黒澤
今回名取の拠点では、複数の仲間がたとえばガソリンの調達班を設けることで対応ができました。通信はネットをうまく使う。
最初には危険除去をやります。道路の確保など。そうやって、ボラセンが立ち上がった時には、連携して活動するようにします。ボラセンに集まった人が現地に来る。
ところが住民の人がいなかったりします。住民の方も何をしてもらえるのかわからなこともあります。そういうところにかかわって、いきます。早く終わったら、他の現場に回れるように手配できます。
黒澤
それらしい恰好をして、メガホンを持って、それで最初に来た人をアシスタント的になってもらいます。そうやっていけば、非常に多くの人数を受け入れることができます。
風
たとえば、市の要請で動いている重機に話をして、ボランティアのバケツリレーと連携してできるように、現場コーディネーターはそんな仕事もします。
バケツリレーは、2列内向きで向かい合っていると速いです。みんなが同じ方向を持つと遅いです。そういう作業のアドバイスをします。
(やじるしが顔の向き)
下記が効率的
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
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こういうふうに向かい合う。
室外機の回収の話
黒澤 発電機1台あれば、拠点で携帯充電ステーションができます。
風組 僕たちは業者がやるようなことをボランティアでやっています。何が違うか。
業者さんなら、解体なら一気に全部短時間で解体しないといけない。僕たちは塀を部分たけ解体して、玄関側から荷物を出せるようにだけ一部解体するようなことができます。そのあたりが業者にお願いする仕事と違う。
桑原さん持ち込み、側溝のふたあけ機(写真なし)適切な資機材を知っていれば、それを選定したり、推薦することができます。だから現場で情報を集めておく。
ネットで応援資材を募集する時でも、メーカーと型番まで指定するのも一手です。チェーンソーでも燃料からオイル、チェーンまでいろいろですから。決まったものが来た方がいい。
ニーズ調査。実際の資機材を軽トラにのせてゆっくりと現場を回る。その道具を見ると住人の人が「それ貸してくれ」。軽トラは必須。
たとえば、竜巻で被害を受けた森の木。この写真はとび職のボランティア」がやっているところ。森林ボランティア協会の方が樹上伐採をしているところ。プロの人がやれば安全を確保してできる作業になる。
だから、ボランティアセンターで受けきれない範囲のものも、安全に、あるいは本職である人などを集めたりして、対応できるようにすることはできる。
住民の人に実際に大工さんを呼んでもらって、ボランティア(コーディネーター)と一緒に相談する。どこまでがボランティアで、どこからが大工さんのお仕事か相談してやれば解決。民業圧迫なんて言われる場合があるが、そういう手順をはさめば問題は小さくできる。大工さんが床上げも泥だしもやるといわれれば、やらなければいいのです。
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日本財団 樋口
「災害支援における外部との連携」
BGM北の国から♪
石巻モデル。団体を受け付ける民間ボラセン的なものと、個人を受け付ける社協ボラセンの共同の方式
CVN。企業による支援活動を支援活動のネットワーク支援。自分たちではできないことを、共同してどうやるか。
ふだんから顔を合わせる。
企業向けにこんな冊子を作りました
企業の現場担当の人は連携した方がいいと感じている、ところが企業の経営判断をする人は現場情報から遠い。企業が大きくなるほど遠くなる。その距離を意識した上で時間をかけて、その企業文化(企業だけでなく行政組織も対象になる)を理解して距離を詰めていく。
この冊子をつくる作業そのものも、ネットワーク内の企業さんに製作作業を分担してもらった。研修などで顔を合わせて、そこで終わらないでこういう共同作業につなげていった例です。
予算、社内規定などがある。これは変わらない。それにもとづいて風土がある。企業文化がある。うまくいった連携にも制度がマッチした場合と、風土がマッチした場合がある。
自分たちの活動をHPにしたり、紙にまとめておく。こういったことで連携の可能性が増える。
企業では、ボランティア活動に予算がある、ないがある。ボランティア休暇制度がある、ないがある。切り崩す場合にどうするか。本当は参加したいと思っている。企業から参加している個人ボランティアさんとつながる。その人を介して会社として動きだす例が多々ある。
レスキューストックヤードさんは、名古屋市が倉庫、企業がコンテナ、ボランティアが管理、というつながり。
企業さんでもツイッターを見たりしています。
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資機材について
のぶさん
たとえば剣スコップと角スコップ。雪かきは角スコップだと思うけども、豪雪一週間後に現場に入ったら、雪が凍って剣スコップやつるはしの方が有効だったりする。現場に合わせた道具を使うともいえるし、何の道具だからどういう作業ならできるとか。
重機が得意、電気が得意。
床はがしから床貼り。バールだけでも複数。予測はして用意していくが現場に着くと後悔も。
おととしの竜巻の時には、経験がない。想像しきれないで言ったら、屋根が飛ばされている家が多くてブルーシートが必要だった。さらにそれを固定するためのビスなども必要だった。これはあったけど。
とばされた部材を再利用したり。
桑原
べた基礎の泥の清掃に関して、車用のクリーナーを使用。水を吹き出しながら吸い込む。引きながら掃除をする掃除機。伊豆大島でも活躍。
10万円以上ぐらい。みんなで桑原さんにプレゼントしよう!
片手ハンマーの柄を長くして両手で使えるようにしたもの(一番小さいもの)
ブロック塀を崩すため。柄が痛まないようにゴムホースをはめて補強したもの(黒さんが持っているもの)
重機の爪を使って、門柱なんかを壊すための手作りハンマー。(大きいやつ)
いろいろ
全壊判定を受けたからといって、取り壊す必要はない。
現地にプリンターを持参し、被災者に有益な情報を手渡してしまえばいい!