人は、意思と記憶を置き換えている
人は意識では動いていません。
行動の後追いで、体に命令したという記憶を作ってつじつまを合わせています。
行動した後で、およそ0.5秒遅れて、体に「〇〇をしろ」と命令したという「記憶」を作ってつじつまを合わせています。
人はまず氣が動いて次に身体が動き始めてから、身体の支配者である「意識様」が、0.5秒遅れでいかにも考えそうな意識の記憶を作って、リアルタイムで身体を支配しているような錯覚の中で生きています。実際の脳の動きを追いかけて実験すると、そうしないと説明がつかないのです。
詳しいことはたとえば、下記の本に詳しいです。ただし詳しすぎて読むのにすごい時間がかかるけど。
ユーザーイリュージョン
- 作者: トールノーレットランダーシュ,Tor Norretranders,柴田裕之
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2002/09/01
- メディア: 単行本
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なぜそんなややこしいことをせざるを得ないかは後日書きます。
しかし、そう言われても、記憶をねつ造しているという実感はありません。
たとえば、攻撃してくる相手の動きを「見て反射」したら遅れてしまいますが、整体をしている時のカラダになって、相手の身体に入り込むと、相手が「打とう」と思った瞬間に先を取って入り込み、相手を制することができたりします。
こういう体験があるので、この脳科学の説明は、間接的に認められるのです。だから整体や進化体操を効果的なものにするんだと磨いていく際には、意識に頼らないでレベルを上げていく方法というのを追いかけていくことになりました。
ところがこれが実に楽しい。前回も書きましたが、凡人、へたれにとってましになっていけるための可能性に満ち満ちています。
人間は意識では動いていないにもかかわらず、意識で動いているような実感があります。そしてその裏側を探っていくと、その「意識で動いている実感」が明確にあるほど、実は物事の改善や上達を妨げる恐ろしい事実が隠れていました。