318話 NHK受信料不払いには反対 2

重油が大量に漂着した三国町にある越前松島水族館。海岸にあるそこには、海水を引いたプールがあり、そこでよくあるイルカショーをやっていた。海水は、深いところから引き込んでいるので、海面に浮かぶ重油は入ってくるはずがなかったのだが、どこがどうしたものか、そのイルカのプールに重油が浮かび始めた。少量の油であっても、イルカにとっては呼吸困難をまねくこともあり命取りになる。そこで水族館の職員は24時間、プールに浮かぶ油膜を吸着マットで吸い取る作業を続けた。同時に水族館前の海も重油に埋まっている。職員総出で重油の回収作業も行った。

不眠不休の作業。数日もたつと職員の疲労はピークとなった。やむにやまれず水族館の館長は重油回収ボランティアセンターへ、ボランティアの応援派遣の電話をかけた。その電話を受けたのが山田和尚さんである。


あ、、ほんとにプロジェクトX風の書き方になっているので、それふうに書いてしまおう。みなさん頭の中で田口トモロヲの声で読んでね。

館長
松島水族館です。油膜でイルカたちが危ない。職員たちの作業では追いつきません。ボランティアの派遣をお願いできないでしょうか」

和尚
「わかりました。ボランティアセンターで全面的に支援します」

−山田、水族館にボランティアのリーダーとして、気心のしれた中村しゅんと、神戸元気村の中田あやを送った。そして全国から集まったボランティアによる24時間体制のイルカ救援活動が始まった。

遠隔地からくるボランティアの宿舎として、2カ所の区民館が当てられていた。その2カ所の区民館に宿泊するメンバーの中から、夜間、一定の人数を水族館に派遣することになった。その中に筆者もいた。

というわけで、(っとここからは田口トモロヲ風には読まないでね)津田は水族館に行った。

イルカを救うプロジェクト、というと、何か劇的な響きがあるが、実際の現場はいたって地味である。一回の作業は4時間。(これは「夜勤」の場合。昼はもうちょっと長かったような気がするけど忘れた)魚市場か魚屋さんのはくようなオーバーオールのような下半身全てゴム長靴状態になるやつを身につけ、グランドをならす「とんぼ」状の木の先に4〜50センチ四方の油の吸着マットをくっつけて、ただひたすら水面を掃くだけである。

赤塚不二雄のマンガに、着物姿で一日中家の前の道路を掃除しているキャラクターがいる。「レレレのおじさん」である。イルカプールのまわりにゴム長をはいたレレレのおじさんが集団でいる、というだけである、とも言える。

4時間レレレをすると、大広間のような部屋に行き、ストーブの上の大なべに缶コーヒーなどが入っているので、それをカポッと飲んで待機している老若男女とうだうだと話をして、また別の大広間にふとんが大量に引きっぱなしにしてあるので、そこにいってぐだぐだと寝る、という繰り返しである。

ねっ、地味でしょ。っとここまでがドルフィンプロジェクト1である。