320話 NHK受信料不払いには反対 4

そして、翌日には慎重にプールの水位が下げられ、その赤ちゃんイルカも、結局は無事兵庫県の須磨水族館に移送され、そして半年後すべてのイルカ達は、きれいになった海の待つ、越前松島水族館に帰ってきた・・・と、詳しく書くとなんぼでも続いてしまうので途中から急にはしょっちゃいましたが、そういう話を山田さんは取り上げればいいと思い、NHKにそう話されたようだ。

だから山田さんは、ドルフィンプロジェクトの現場リーダーだった岡山のしゅんさんをNHKに紹介したらしい。しかし、俊さんもテレビの取材はめんどくさかったのだろう、筆者の電話番号を取材者につたえ、こちらに振ってきた。

しかし、筆者はプールサイドでレレレをして、休憩室で缶コーヒーを飲み配給の飯を喰い、雑魚寝をして、たまに休憩室で「マッサージ大会をしましょう」をした、というだけである。俊さんはあきらかにこの取材に対して「乗り気でない」。



っと、さんざん脱線したけれども、この項で書こうと最初に思ったことにようやく至る。


その際の電話取材がめちゃくちゃ横柄というのか、感じが悪かったのである。

ずいぶん前の話なので詳細は覚えていないけれど、番組名は言ったが、当時私はプロジェクトXは見たことが無かった。だからどういう番組なのかさっぱり分からないまま話をされた。取材者の名前も言わない。もちろん肩書きも立場も言わない。取材の意図、使用目的、そういうものを一切聞いた覚えがない。

俊さんは、その見事なリーダーぶりで尊敬していた。岡山の自宅まで泊まりがけで遊びに行かせてもらったこともある。その俊さんからの紹介でこちらに電話をしてきた、ということであった。俊さんからの紹介とあらば、ぞんざいにはできないわね、ということで電話を取ったのである。しかし、およそ数十秒後には不愉快になっていた。「何様だと思っとんじゃい、われ」という気分になってしまった。

「テレビやで、NHKやで、と言ったら、誰でもしっぽを振ってべらべらしゃべると思っとるんかいおのれ」

何を聞きたいのか不明瞭だし、前記したように聞き手の立場も意図も分からないから、こちらも何を話していいかわからない。それにこちらがしっぽを振らないのも電話口から感じ取ったのであろう。取材者は「どなたかお話を聞ける方の連絡先をご紹介してもらえませんか」と言ってきた。

ますますカチンと来た。こちらはまともに聞かれていないので、その時の事をまだ何も具体的には話していないのである。話をしていないにもかかわらず、「あなたの話はもういいです」と言われたのと同じことになる。「あなたは、ボツ。他の人にします」と心安らかに聞き、それではぜひこの方のお話をお聞き下さい、という心になるほど、私は修行ができてはいない。

同じプロジェクトに参加した方々の中で、この方々にお話を聞いても番組にはならないだろうという方を厳選して、そのディレクターらしき方には連絡先をお伝えした。

そういう私の妨害工作が功を奏したのか、もともとドルフィンプロジェクトを取り上げる気がなかったのか、日本海重油流出事故は、三国のボランティア本部を中心とした物語となって「日本海重油流出災害、30万人の奇跡」というようなタイトルで放映された。ビデオにもなってます。面白いです。